緑ヶ丘女子中学・高校 “おもてなし教室”開講 五輪見据えた人材育成
緑ヶ丘女子中学校・高等学校(外川昌宏校長)は、2020年の東京五輪を見据えた総合学習「おもてなしカレッジ」をスタートさせた。6年後の五輪開催時にボランティアとして活躍できる人材育成をめざした取り組みで、手話やマナー講座・語学・地域活動などの学習を通してコミュニケーション力を養成。「おもてなし」の心を学ぶ。
近年、日本を訪れる外国人旅行客の増加が顕著となっており、その数は毎年右肩上がりに伸びている。昨年度は初めて1000万人を突破するなど、観光立国として受け入れ環境の整備が進められている。さらに6年後に開催が迫った2020年の東京五輪・パラ五輪を追い風に、海外から訪れる人はさらに増加することが想定される。また、五輪運営だけで過去最大規模の8万人を超える大会ボランティアが必要だと言われているほか、各国選手団の合宿や観客の宿泊・観光などによって東京以外の地域でもボランティアの確保が求められる。そのため文部科学省でも英語教育やキャリア教育などと並行して、「若者等のボランティア活動の促進」を打ち出し、ボランティア教育にも力を入れていく方針だ。
全国初の実施
緑ヶ丘女子中学校・高等学校では、東京五輪時にボランティアの中核を担う若者の育成をめざしたプロジェクト「横須賀青少年おもてなしカレッジ」を始めた。海外からの来訪者をもてなすためのホスピタリティの精神や知識・技術を身につけようと、同校の中学1年生から高校3年生までの希望者29人が参加。高校3年の藤掛未来さん(鷹取中出身)は「東京五輪が決まり、自分には何ができるのか考えていた。これなら私にもできそうだなと思った」と笑顔で受講理由を話した。
同プロジェクトは、まちづくりコーディネーターとして地域ぐるみの”おもてなし”のあり方を提案する聖徳大学生涯学習研究所の福留強所長が提唱する取り組みで、同校が全国初の実施校。今年度中には千葉県などの学校でも導入される予定だという。
手話や礼儀作法学ぶ
今月15日に催された開会式の後、第1回の授業が行われた。この日の実習では手話と挨拶の仕方を学んだ。手話の講師を務めた山口万里子さんから「おはよう」「ありがとう」「どうなさいましたか」などの簡単な表現と成り立ちを習った生徒は、見よう見まねのぎこちない手つきながらも懸命に取り組んでいた。
また、百貨店のインフォメーションで勤務経験のある同校卒業生が講師として登壇。社会人生活で学んだ挨拶の大切さを説き、お辞儀や握手の仕方など礼儀作法を後輩たちに教えた。
学ぶのはマナーやボランティア精神だけではない。ホスト役として一人ひとりが街の顔となり、来訪者に地域の歴史や文化といった魅力を発信していくことも大切な役割だ。郷土愛を育むことで地域社会への貢献意欲を高めていくこともできる。夏休み期間中、生徒は「横須賀を知り、発表する」をテーマに学校周辺の観光スポットを歩いて調査。今年9月の文化祭で活動成果を発表する。高校1年の船橋智笑さん(神明中出身)は「多くの人に横須賀の魅力を紹介できるように頑張りたい」と話した。
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