深田台神明社 四半世紀ぶりに神輿復活 26日に例大祭
「伝統が復活する」―。深田台にある神明社の宮神輿が、明日26日(土)の例大祭で26年ぶりにお目見えする。地域の高齢化などで担ぎ手が減り、昭和63年のお祭りを最後に、神社内で担がれることなく眠っていた神輿。「地域のお祭りのシンボルとして、復活させたい」と地元の若手が担ぎ手に名乗りを上げた。
上町の商店街から、文化会館方面へ向かう裏路地にひっそりと鎮座する神明社。明治時代の前半、米が浜の神明社から移設されたのが起源と言われる(米が浜神明社は昭和50年代に再興)。宮神輿は、隔年で行われる例大祭で、大正・昭和と代々担ぎ継がれてきた。しかし、昭和63年を最後に、その風習も途絶えてしまっていた。
「自分の生まれ育った町にある宮神輿を担ぎたい」。そう立ち上がったのは、上町在住の竹内恒明さん=写真。お祭り好きの友人の影響を受けて、汐入や中里など近隣で神輿を担ぐようになり、「担ぎ手や参加する人の一体感」に目覚めたという。そんな時に「神明社に眠ったままの立派な神輿がある」と聞き、氏子会に相談。今年の初詣を機に、担ぎ手の仲間を募集し、「(仮称)神明睦会(むつみかい)」として、活動をスタートさせた。肝心の神輿も老朽化が懸念されていたが、状態も良かったことから、今夏の例大祭で復活させることを決めた。
担ぎ手となるのは、上町深田・台深田・深田大門と米が浜町内の氏子に限定されるため、氏子会や地域の若手有志、商店会青年部などに声を掛けながら、手探りで人集めに奔走。同時に、神輿の補修や境内の清掃を行い、例大祭に向けて準備を進めてきた。
当日26日(土)、お神輿は朝8時半に神明社下から出発。今回は渡御を行わず、100段近くある神明社の階段を上り、米が浜神明社によるお囃子や獅子舞で盛り上げる。「担ぐのは地元の人に限られているが、26年ぶりの雄姿を多くの人に見てほしい」と竹内さん。上町深田町内会の根岸正明会長は「父親の世代から担いでいたお神輿。一旦途絶えてしまっていたが、若い世代の人たちが名乗りを上げてくれたのは嬉しい」と今後の繋がりに期待する。竹内さんは「お祭りや神輿は、どの世代も楽しめる地域のつながりの象徴。町を活性化させるシンボルとして担ぎ継いでいきたい」と意気込みを話している。
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