―「まだ先のこと」ではなく「今から」― 元気なうちに考える介護
厚生労働省の発表によると、2013年の日本人の平均寿命は、男性80歳、女性86歳。医療技術等の発展で寿命は少しずつのびている。最近では『健康寿命』という言葉も注目されているが、現実に目を向けると持病や認知症など健康面・介護の問題など不安は尽きない。「まだ先のことと思わず元気なうちに考えることが大切」―そう説くのは、三浦市社会福祉協議会主事の成田慎一さん。成田さんに介護に関する心構えや今からできる準備を聞いた。
―元気なうちに介護を考えることの大切さを教えてください
「病気やケガ、認知症発症で初めて介護を考えるケースが多いです。”認知症が進み家族の負担が大きくなった””骨折で歩行もままならなくなった”など、いざ直面すると動揺も大きく、何をすればいいのか、どんな準備が必要なのか…事前の知識がないと、冷静な見極めや判断ができないからです」
―介護やサービスの種類について教えてください
「介護サービスは、施設型と在宅型の2種類です。施設型は介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、グループホーム、介護付有料老人ホームなどがあります。在宅型にはホームヘルパーによる訪問介護、要介護者・要支援者が施設に通う通所介護、最近ではサービス付の高齢者向け賃貸住宅もあります」
―施設によってサービスの種類が違うのですね
「自分にあうサービスを受けるためにも、持病や体の状況を把握し、今後重症化すると想定することが大切です。住んでいる地域にどんな介護施設があり、どのようなサービスを受けられるのか、社会福祉協議会や地域包括支援センター、市役所などで一度相談することをお勧めします」
―有料老人ホームは施設によって特徴が様々。選ぶ基準を教えてください
「特別養護老人ホームは、要介護度や介護の必要性で入居順が決まるためほとんどの施設が入居待ちの状態です。そんな状況の中、民間の施設では入居金を低く抑えたり、充実したサービスや設備を前面に出したりするなど施設の多様化が見られます。
まずは、施設見学に行ってみましょう。サービス面や建物の構造、部屋の間取り、食事など施設によって多種多様です。1カ所ではなく、複数見学して比べてみてください。宿泊体験を利用するのもよいでしょう。新たな暮らしをスタートさせるうえで、利用者にあった安心して暮らせる環境を見つけるようにしましょう。看取りの有無の確認も大事なポイントです。納得のいく住まいの環境を見つけるためにも、少しでも元気なうちから行動をとることが大事です」
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