神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
横須賀版 公開:2015年1月1日 エリアトップへ

「横須賀製鉄所」「東京湾要塞跡」 歴史遺産で集客と郷土愛

社会

公開:2015年1月1日

  • LINE
  • hatena

 横須賀製鉄所(造船所)の創設150周年と東京湾要塞跡が国の史跡に指定されるのを受けて、横須賀市は今年、歴史遺産を活用した事業を積極展開する。観光集客の目玉に位置づけており、シンポジウムの開催や現存する施設を見学できるツアーを実施する。小・中学校では教育の題材に用いて、郷土意識の醸成などにつなげていく方針。

近代化産業発展のルーツ

 1865年11月に建設が始まった横須賀製鉄所は、2015年に創設150周年の節目を迎える。市は、今年3月までをプレ事業、4月から来年3月を記念イヤーとし、11月を記念月間にあてる。主な事業では、全国誌「歴史読本」とのタイアップによる特集号の発行やヴェルニー公園に同製鉄所を紹介する案内板の設置を計画している。既存事業として行っているベースツアーは、製鉄所関連遺産バージョンとして実施。米海軍基地内で今も現役で使用されている日本最古の西洋式の石造ドックなどを公開していく。往時、稼働していたスチームハンマーが置かれているヴェルニー記念館では記念展示などを行うほか、美術館、中央図書館、人文博物館でも特別展示を開く。

 昨年、世界遺産に登録された富岡製糸場のある群馬県富岡市との相互集客の仕組みづくりも急ぐ。1872年に建てられた同製糸場は同じ設計者が担当しており、建物の工法にも多くの類似点がみられることから横須賀とのゆかりをアピール。富岡を訪れる観光客の関心を誘う。このほかに小・中学校では、製鉄所の歴史を学ぶ機会を設ける。小冊子の配布などを通じて郷土の歴史に触れてもらう。

国史跡指定後に環境整備

 明治・大正期に建設された東京湾要塞跡の猿島砲台跡と千代ヶ崎砲台跡が春をめどに、国指定史跡に登録される。近代以降の軍事遺跡では全国で初。日本の近代軍事事情や建築・土木技術を知る上での貴重な資料となるだけでなく、観光資源としての利用価値に注目が集まる。

 特に西浦賀にある千代ヶ 崎砲台跡は防衛省の所有でこれまで立ち入りが制限されていたため、当時のままの状態を保っている。安全対策を講じる必要性から市は来年度の公開を一部にとどめる方針だが、担当する市政策推進部文化振興課では観光集客を含めて戦略的に活用していく構えだ。

 これの前段として市は、東京湾要塞の歴史的役割や保存活用を考えるシンポジウムを2月1日(日)に実施する。軍事史学会で副会長を務める原剛氏が基調講演を行うほか、識者によるパネルディスカッションで市民の関心を高めていく。

 時間は午後1時半から4時15分まで。会場は汐入駅前のヨコスカ・ベイサイド・ポケット。先着400人。入場無料。

 詳細は同課【電話】046・822・8116
 

横須賀版のトップニュース最新6

浦賀沖でサーモン養殖

浦賀沖でサーモン養殖

若手漁師ブランド化めざす

3月22日

新婚世帯の定住促進

横須賀市

新婚世帯の定住促進

4月から補助金最大60万円

3月22日

不登校理解 心覚えの1冊

不登校理解 心覚えの1冊

支援団体代表 島田さん上梓

3月15日

名作誕生の立役者に焦点

横須賀美術館

名作誕生の立役者に焦点

「鈴木敏夫とジブリ展」

3月15日

再開発事業で解体

横須賀プライム

再開発事業で解体

33階建て高層複合ビルへ

3月8日

街角あちこちに電子看板

よこすかビジョン

街角あちこちに電子看板

横須賀中央、久里浜に9基

3月8日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 3月22日0:00更新

  • 3月15日0:00更新

  • 3月8日0:00更新

横須賀版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

横須賀版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年3月26日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook