県立津久井浜高校に通う大橋皐慧(こうえい)さん(2年・鴨居在住)が、今月6・7日に群馬県で行われた「関東高校自転車競技選手権大会」に県代表として出場。6位に入賞し、今夏行われるインターハイへの出場を決めた。大橋さんは学校に自転車部がなく指導者もいない中で、練習メニューや体調管理など孤軍奮闘してきた。
70秒で決する勝負
出場したのは、一走者ずつスタートし、記録を競う「1Kmタイムトライアル」。26人中、1分11秒053で6位に入賞した。1位とのタイム差は約3秒。「県予選では2位だっただけに悔しいし、満足していない。インターハイでは自己ベストを狙いたい」と早くも次の戦いに意欲を見せる。
5月に行われた県予選大会の2日前、練習中に左ひざに激痛が走った。マッサージ師である父親からは「蓄積した疲労からくる痛み」と言われ、「競技に戻れるのだろうか」と不安がよぎった。負担の軽い1Kmタイムトライアルに勝負を絞り、出場予定だった40Kmロードレース予選を棄権。約1カ月間、短距離を意識した練習に励んだ。コンディションが万全でない中で迎えた関東大会。スタート順は後ろから2番目。「先の選手たちが好記録を出していくのがプレッシャーだった」と振り返る。
「部がなくても」
3歳下の弟が始めたことに影響され、ネットオークションで中古の自転車を購入したのがきっかけだった。最初は近所をサイクリングする程度だったが、サイクルショップの紹介で参加した同好会で、遠出する楽しさを知った。「練習で走行距離を測って、100Kmに到達したら『次は箱根まで行こう』と誘ってもらえた。世界が広がっていくようで楽しかった」。
中学卒業後、進学したのは自転車部のない津久井浜高校。県内には横浜高校などの強豪校があるが、いずれも私学。活動には部品代や維持費で数十万円かかるため、授業料などの負担も考慮し、県立校を選んだ。「登下校も練習に充てたい」と自宅から自転車で通える点も重視。高体連の試合に出場するため、必須である学校登録を担任に直訴した。水野彰教頭は「正式な部ではないが、試合の引率や申請書類など、学校としてできる限りサポートしたい」と体制を整えた。
夢は競輪選手
学校がある日は、三浦市の松輪にある「松輪周回コース」を練習場所としている。室内バイクを使った自主練や、弟を背負っての「階段トレーニング」に励み、休日は川崎の練習場で100〜200Km走り込むという。
屋外で行うロードレースは、多いときで100人以上が参加する。その中で重要なのが、スパートをかけるタイミングを読む心理戦やポジショニングなどの駆け引き。先頭か後に付くかで空気抵抗も変わるため、集団での練習は競技において大きな意味を担う。1人だと不利な点は多いが、「その分、メンタル面を強く保つよう意識している。自分との闘いには負けない自信がある」。自転車部の発足にも力を入れており、将来は競輪選手になる夢を抱いている。
インターハイは8月6日(木)から5日間、大阪府と三重県で行われる。
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