海に直接触れることのできる海浜が少ない追浜エリアで、市民の憩い空間となる干潟が新たに整備されることになった。場所は資源ゴミのリサイクル施設「アイクル」(浦郷町5の2931)側面海域の三角地帯。およそ1万㎥の土砂類を投入し、海に向かって90m程度の長さの人口干潟をつくりだす。来年3月頃に工事着手し、2017年3月末の完成をめざす。
自衛隊施設の浚渫(しゅんせつ)土砂利用
市の北側の沿岸域は戦前、軍港施設として埋め立てが進み、戦後も工業地帯として開発が広がった。港湾施設も多数あり、水際の大半は直立護岸であるため、周辺住民にとって海は”近くて遠い場所”との思いが強い。こうした状況を踏まえ、横須賀市は2012年度から浅海域を整備する方針を打ち出し、追浜地区のほか、走水地区(伊勢町)、久里浜地区(長瀬)の3つを候補地に挙げていた。ただ、予算とのにらみ合いの中で進捗は足踏み状態となっていた。
そこに昨年度、防衛省から市に話が持ち込まれた。長浦地区の桟橋・護岸改修に伴う浚渫工事の発生土砂を有効利用するアイデアで、運搬費用なども同省が負担することで両者が合意。移動距離の短さから追浜が選ばれた。市は数百万円の事業費で干潟に出入りするための階段や案内板などを整備する。
活用に関して、現在は構想段階だが、「環境学習や潮干狩り、シュノーケル・カヤックの体験会などを念頭に置いている」と市の担当職員は説明。利用のルールづくりや漁業関係者との調整を図っていくという。その一方で、アイクル横の遊歩道は人気の釣りスポットとなっており、利用者からは締め出しを懸念する声が早くも上がっている。
市では今年9月に、整備後の利活用や管理について近隣住民に事業者、環境団体の代表者を集めて意見交換会を開く。
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