22日に開幕する全国大会に出場を決めた坂本中女子バスケ部の顧問を務める 瀬川 大樹さん 坂本中教諭 28歳
「全部員が同じ目標に」
○…女子バスケの全国大会に市内勢として初出場する坂本中。ヘッドコーチに着任して3年目、1つの結果を出した。チームは地区予選から県大会まで全勝、昨季届かなかった関東ベスト4に滑り込み、全国への切符をつかんだ。「子どもたちがやってくれたこと」と謙遜するが「もう一度気を引き締め直す必要がある」と次を見据える姿に指揮官の統率力がうかがえる。
○…学生時代に打ち込んできたのはサッカー。日が暮れてもボールを追いかける根っからのサッカー小僧だった。小・中はマリノスのジュニアユースに所属、関東選抜の経歴も持つ。幼少時から競争のある環境下におかれていた経験から、1つのプレーの大事さを身に染みて感じている。だからこそ部員には「パスを味方の右手に出すか、左手に出すか」など細かい部分までこだわりを要求する。
○…「子どもの顔をよく見なさい」―。初めて教壇に立った年に、教師のいろはを叩き込んでくれた恩師の言葉だ。全部員に1日1回は声をかけることで特徴の把握に努める。その観察眼は試合において特に力を発揮。疲れの見える選手や弱気になるチームの雰囲気を素早くつかみ、適切な采配を振るってきた。先月の県大会決勝では選手の動きを見ながら頻繁に交代を行い、主力の体力を温存。相手チームの疲労がピークを迎えたラスト5分。レギュラー全員をコートに揃えた。「最後が勝負と感じた」。読みは当たり、9点のビハインドをひっくり返した。
○…チームの特徴は「団結力の高さ」と評す。「全員が同じ方向を見ていることで夢は叶う」―。そのためには、実力や学年は関係ない。U―16日本代表候補の選手も1年生の初心者を気遣い、控えの3年生が試合に出る下級生のサポートを率先して行う。日頃から口酸っぱく選手たちに説いていた言葉はしっかりチームに浸透している。全部員、そして自身も見据える先は同じ「全国制覇」だ。
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