昨年9月の市議会で、2018年度末の市立諏訪・大楠幼稚園の廃園方針が打ち出されたことに対し、住民らが反対の声を上げた。
今月18日、市教育委員会に同園の廃止撤回と大楠地区の子育て環境の充実を求める請願を提出したのは、同園保護者の会共同代表の眞中泰行さんと黒木裕一さんら。「公立園の存在意義が薄れている」「法定上限の定員(1クラス35人)に達していない」「施設適正化計画で位置づけられている」というのが、市がこれまで保護者と地域関係者に行った説明だったという。しかし、現状の在籍児童数(年中・4歳児33人、年長・5歳児24人)は、市内の私立園と同規模であり「これが廃止の理由にはならない」と眞中さんは話す。今後についても「大楠地域には私立園もなく、西地区全体の子育て環境の展望が示されていない」と憤りの声を上げる。
同会では、廃園ありきで説明されていることや、現状の地域ニーズに対する分析、協議の場が設けられていない点を挙げ、署名活動を実施。在園・卒園児保護者などから約7千筆を集め、請願提出に踏み切った。こうした意見を受け、青木克明教育長は「施設適正化計画は、財政を基本に考えている。適正規模でないものを維持することは難しい。幼児教育の需要は、地域の私立園に引き継げると思う」と答えている。
大楠地区
「子どもは増えている」
市内で人口減少が進む中、大楠小学区はここ数年、就学前児童数が増加傾向にある=下表。「幼稚園など子育て支援の環境が整っていないという理由で、定住を敬遠される要因になりかねないのでは」という声も聞かれる。1978年の創立以来、自然環境を活かした園外保育や幼小連携など、地域との関わりを深めてきた同園。「子どもを介した文化的なつながりが育まれている」と、保護者の会では同園の地域での存在意義を強調するとともに「子ども目線で、環境の整備を考えてほしい」と訴える。
一方で、諏訪幼稚園に関しては、建て替えから数年しか経っておらず、反対の声もあった。しかし、「定員割れが続いた場合は廃園も視野に入れる」と地域との取り決めもあり、日の出町に開設予定の「中央こども園(公設公営/認定こども園)」に機能を接続する方向で、検討が進んでいる。
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