タブレット端末を使用した英語授業が今年度から一部の中学校で行われる。横須賀市の実証実験で、対象は池上中と野比中の2年生。授業内で「聴く力」や「話す力」を養うアプリを使用することで、これまでのALT(外国語指導助手)配置事業に加え、新たなコミュニケーション能力育成の方法を探る狙い。早ければ5月下旬から利用される見通しだ。
横須賀市は2009年度から小・中・高全ての学校にALTを配置し、英語の授業を展開。全国学習状況調査では県内平均に比べ、リスニングの点数が高いなど一定の効果を上げてきた。今回、試験的にタブレットを活用することに関して、市の担当者は「学習意欲の向上など、より効果のある授業方法を模索する意図がある」と説明。県内で端末を導入している自治体は他にもあるが、「英語に特化したアプリを使用している事例はほとんどないと思う」と話す。
2月に発表された市の今年度予算案では「国際コミュニケーション能力の育成」事業に約2億6600万円を計上。周辺機器代などを含め、1台あたり3〜4万円となるタブレット80台を購入する。池上中と野比中にそれぞれ40台を配布し、2年生の授業で1人1台貸与。どの業者のアプリを使用するかは未定だが、端末に話しかけると、発音の正確さが判定されるなど「聴く力・話す力を養えるようなものを採択する」と担当者。
タブレット導入前の4月には英語コミュニケーション能力を測る「GTEC」と呼ばれるテストを実施予定。5月下旬を目途にアプリを活用した授業をスタートし、年度末に再度「GTEC」を受験。4月に比べた各生徒の伸び率や、市内の他校などと点数を比較し、効果の検証を測る意向だ。
ICT活用以外にも工夫を凝らす。今年度中に市独自で新たな英語の副教材製作を進める。横須賀の場所や歴史に関連した冊子で生徒らに親近感を持たせ、学習意欲を高める。
基地の街活かし
市では他にも米海軍基地がある立地を活かして、英語に親しめるような取り組みを拡大していく。中高生が基地の外国人らと英語のみで過ごす「横須賀イングリッシュキャンプ」を昨年初開催。定員の40人を超える申込みがあったため、今年は2回にわたって実施する。市内のホストファミリー協力のもと、英語を使った生活体験ができるホームビジット事業では、市内在住の学生に限り半額で利用できる制度を導入。若い世代が「生きた英語」に触れられる機会を増やしていく。
|
<PR>
横須賀版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|