関東学院大 学内飛び出し地域連携 議会や商店街など多分野で
関東学院大学(横浜市金沢区)と横須賀市の各機関で連携の動きが加速している。先月31日には市議会と包括的パートナーシップ協定を締結。県内で大学と市議会が協定を結ぶのは初めてで、学生のインターンや、教授による議員研修会などを構想しており、両者の交流や環境の相互活用を目指す。また、商店街や自治体との事業参画も進む。学生の斬新なアイデアや教授の専門的知識を求める各地域と、フィールドワークの場として活用したい大学の思惑が合致している状況だ。
学生、教授、議員で意見交換も
調印式に先立って市議会の板橋衛議長は、「政策立案能力の向上を目指したい」と狙いを説明。具体的には議員、学生、教授らで構成する「政策検討会」を設置し、多角的な視点から人口減少などの地域課題解決に取り組む構想だ。議員が大学の講義を聴講することで、専門的知見を学ぶことも視野に入れる。
同大学は地域社会と連携した研究を一つのテーマとしており、来年度には地方創生学科を新設予定。行政や自治体の視点を取り入れた地域貢献を目的としており、今後は議員の事務所にインターンシップで参加するなどを構想しているという。
同大学と市の間では他に、土木系公務員を目指す学生の長期インターンシップの受け入れを2年前から実施してきており、これまで2人が参加している。
企画力向上に手応え
行政だけでなく、地域や商店街とも連携した事業に取り組む。
今月1日には横須賀市文化会館で同大学の経済学部と上町商店街の有志らによるパネルディスカッションが行われた。学生が実際に店へ出向き、課題などを調査。第3者的かつ若者目線から、HPの改善など新たなアイデアを提案し、商店街の未来像を話し合った。
両者は3年前から「灯ろう祭り」や「ハロウィンイベント」などを共同で行っている。学部長の福田敦教授は「フットワークが軽いこともあり、イベントの一部を完全に任せてもらうこともある。学生にとっては企画力や運営力を身に着ける良い機会になっている」と手応えを口にする。
空き店舗事業参画
久里浜では、現在商店街が取り組む空き店舗事業に今後参画する方針だという。商店街側は大学生が地元の小・中学生や高校生に勉強を教えるスペースとして、利活用する構想を持ち、幅広い世代が交流出来る場作りを目指している。同商店街振興組合の森下守久理事長は「若者の集いの場として、活性化の一助を担ってくれれば」と期待する。
キャンパスの最寄り駅にあたる追浜では同大学と10年以上前から連携の動きがある。現在は空き家活用事業としてプロジェクトチームを立ち上げ、昨春には地元の工務店らとの協力で、空き家のリノベーションを実施し、シェアハウスとして再活用。地域の交流スペース作りにも取り組んでいる。
同大学には10学部、約1万人が在学中。この人的資源を活用したい自治体や各地域と、学生に実学の経験を積ませたい大学の意向が合致し、連携が加速している。規矩(きく)大義学長は「有意義な場を提供してもらっているので、こちらも知識やアイデアで、隣接する横須賀市に貢献していけたら」と語る。
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