光沢のある生地に大きな和柄の刺繍が入った横須賀ジャンパー通称“スカジャン”が今年、若者の間で認知度を高めている。これまでの「ちょいワル」なイメージとは異なり、女性が好みそうな洗練されたデザインも登場している。
海外では、ルイ・ヴィトンやグッチなどの有名ブランドがファッションショーで、今年の春夏の流行アイテムとしてこぞってスカジャンを発表。国内では、モデルや女優として活躍する剛力彩芽さんがテレビで着用するなど、国内外でスカジャンが注目されていることが分かる。
スカジャンは終戦後、日本駐在のアメリカ人が日本のお土産として買い求めていたため、デザインは虎・竜・富士山などの和柄、色は赤や青の派手なものがメインだった。外国人が着ている姿を見てかっこいいと思った日本人がファッションとして取り入れ始め、「ちょいワル」なイメージで男性の間でブームとなったのが1970年代頃。
今のトレンドは、うさぎや花を刺繍した可愛いデザインのものや、黒や紺といった落ち着いた色など様々。今までスカジャンを扱っていなかったブランドが、ブームを受けて発売を始める動きもある。駅ビルモアーズシティ内のショップによると、ワンピースと合わせて可愛らしさの中にワイルドさを取り入れたコーディネートを楽しむ女子高生や、パンツと合わせて大人っぽく着こなす30代の女性など幅広い世代が買い求めているという。
一方で、スカジャン発祥の地として知られるドブ板通りの専門店に、虎などの大きな刺繍が入った昔ながらのデザインを求めてやって来る女性客もいる。ドブ板通りで69年続く専門店のプリンス商会によると、今年は女性客が昨年比の約2倍に増え、現段階で注文を受けている商品も手元に届くまでは3カ月待ちの状態。店主の渡辺栄子さんは、「好きな有名人が着たスカジャンの写真を携帯で見ながら来店する客が増えた。生地や刺繍に好みの色を選べるオーダー注文も多く、特に紺や黒が人気」と話す。
発祥の地も人気に便乗
ブームを受けて横須賀市は、ドブ板通り(本町)の対象店舗にスカジャンを着用して来店すると、割引やプレゼントなどの特典を受けることができる「スカジャン割」と題したイベントを始めた。飲食店・マッサージ店・雑貨店など15店舗が参加し、”スカジャンの発祥地”を売りとして、横須賀に足を運んでもらうことをねらっている。
横須賀版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>