神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
横須賀版 公開:2016年5月27日 エリアトップへ

「職親(しょくしん)」と呼ばれる若者の更生支援活動に取り組む 岡本 昌宏さん 三春町在住 41歳

公開:2016年5月27日

  • LINE
  • hatena

「やり直し」許容する社会に

 ○…児童養護施設や少年院の退所者など、行き場のない若者の就労自立支援に独自の手法で取り組んできた。自身が営む建設会社に「住まい」「とびの仕事」「身元引き受け」の3点セットで雇い入れる。社会を生き抜くために”手に職”を身に付け、独り立ちを目指す理想の仕組みだが、「現実は厳しい」。11年間で迎えた若者約40人は、ほぼ全員が自分のもとを去って行った。「長くて1年。1日で音を上げて消えてしまったケースもある」

 ○…離職の理由は同じだ。「仕事がきつい」「人間関係がうまくいかない」。理想と現実のギャップに直面し、何の相談もなく居なくなってしまう。生活費として貸し出した数十万の借金は何度も踏み倒された。めげそうな気持ちを鼓舞しながらこれまで続けてきたが、限界を感じた。「でもあきらめたくない」。全国で同様の取り組みを行っている組織に学び、新たな仕組づくりに乗り出す。協力企業を募って、職種の選択肢を拡げるほか、生活面や精神面をサポートする施設を立ち上げる。

 ○…小学生時代に通っていた学童保育。健常者も障がい者もボーダーなく過ごした経験が原点だ。「助け合うのが当たり前。ボランティア精神が自然と身についた」。その一方で非行に走った時期もあり、大学は3カ月で中退。悪事の限りを尽くし、「生きるか死ぬかのどん底までいった」。救ってくれたのが当時の彼女で現在の妻。「一緒に暮らしたいなら真面目になって─」。とび職人となって夢中で働き30歳で独立を果たした。

 ○…「更生するきっかけが人との出会いだった」。与えてもらったチャンスを、今度は社会に返すことが使命だと考えている。事業を大きくすることに興味はない。公言している目標は「独立する職人が日本一多い会社」。現在、1年前に雇い入れた21歳の若者が修行を積んでいる。「社長の期待に応えたい」。彼のその言葉を信じている。

横須賀版の人物風土記最新6

佐久間 大輔さん

大阪市立自然史博物館の学芸員を務める

佐久間 大輔さん

三春町出身 56歳

3月29日

新谷 健(たけし)さん

娯楽劇を演じる市民劇団「浜の隠居の会ぷらす」の代表を務める

新谷 健(たけし)さん

鴨居在住 68歳

3月22日

山田 裕子さん

鉄道ファンコミュニティ「よこすか子鉄くらぶ」を主宰する

山田 裕子さん

野比在住 49歳

3月15日

岩間 道夫さん

横須賀災害ボランティアネットワークの会の代表を務める

岩間 道夫さん

鴨居在住 74歳

3月8日

麦島 康友さん

空き家を再生して民泊施設をつくりだすプロジェクトを立ち上げた

麦島 康友さん

浦賀在住 43歳

3月1日

杉村 大豪(たいご)さん

市町村の代表選手で競われる「かながわ駅伝」で2区区間賞を獲得した

杉村 大豪(たいご)さん

林在住 15歳

2月23日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 3月29日0:00更新

  • 3月22日0:00更新

  • 3月15日0:00更新

横須賀版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

横須賀版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年3月29日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook