三浦半島の地域活性化や課題解決に資する取り組みを大学に提案してもらう神奈川県の事業に、県立保健福祉大学、関東学院大学、横浜国立大学がそれぞれ採択を受けた。先月末に公開コンペがあり、3大学が応募。今月10日に結果発表があった。空き家対策や高齢者サポート、地域コミュニティ創出などの取り組みに着手する。
県福・関東学・横国
地方創生の政策として県が策定した「三浦半島魅力化最大化プロジェクト」の一環。大学と学生が地域の現場に入り、住民らと連携しながら課題に挑む。
県立保健福祉大は、産学連携で昨年度から取り組みをスタートさせているシルバー産業の研究開発整備事業(リビングラボラトリー)の実践の場として、湘南長沢グリーンハイツで高齢者集合住宅の先進モデルケースづくりを行う。具体的には、生活支援サービスを希望する高齢者とボランティアスタッフとのマッチング円滑化や対話型ロボットによる見守りシステムの構築などを進める。
空き家再生と活用を地域コミュニティの活性化にまでつなげる事業に挑むのが関東学院大。空き家所有者と利用者のマッチングを手掛けるほか、市内の空き家の状況を見て回り、利用方法について意見交換を行う見学ツアーを実施する。長らく使用されていない逗子市の旧野外活動センターを多世代交流の場として再整備していく。
横浜国大は、学内で実施した田浦地区などの谷戸生活の調査をもとに、新たな居住者を呼び込むプロジェクトを立ち上げる。津久井にある昭和初期につくられた古民家「万代会館」の保存を通じて、歴史を活かした地域の魅力づくりを行っていく。三浦半島でエコミュージアム活動を実践しているグループを取りまとめて観光活用などの可能性も探る。
横須賀三浦地域県政総合センターによれば、全事業の予算総額は900万円。国の地方創生加速化交付金を充てる。1大学の提案に対して最大で450万円を助成。配分に関しては、内容に応じて割り振られる。
万代会館 廃止のはずでは
万代会館(津久井2の15の33)=写真=は、横須賀市の「施設適正化計画」で、向こう10年での廃止・売却の方針が打ち出されている。これに対して、市民グループ「万代会館プロジェクト」が立ち上がり、施設の市民周知や庭の手入れ、茅葺きの補修を行ってきた。市内の団体と連携した見学会やイベントを定期開催し、その歴史的価値を伝えている。
学生がコミュニティの場として今後の利活用を提案していることに関して、同計画を進める市の資産経営課は「今回の学生の事業は、市民活動のサポートという認識。(存続や廃止など)最終的な結論は、利用者や市民と意見を交わしたうえで決めるもの」と話すに留まっている。
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