県1部へ昇格を果たした社会人サッカーチーム「横須賀CITY FC」の監督を務める 安田 将さん 長坂在住 44歳
”身近なヒーロー”育て上げ
○…創設から20年携わってきたチームを市勢初の県1部に導いた。「ほっとした」と安堵の言葉が口に出る。選手がサッカーに打ち込む分、家族など「影で犠牲になる」人がいる。彼らや支えてくれる人に「少しは報いることができた」からこその思いだ。一方で当の本人に満足感はない。「1戦1戦が特別だから」。仕事の都合、異動や転勤もあり、選手の入れ替わりは激しい。この仲間で戦う「最後」の試合だと言い聞かせ、ピッチへ送り出している。
○…大楠小で「好きだった」サッカーは大楠中で「嫌いになった」。1人だけ上級生の試合に出ると、先輩から「生意気」と言われ、同級生に無視されるなど人間関係に悩んだ。ボールを見るのも辛くなり、高校では続けなかった。その後就職した横須賀市消防局。ここで再び巡り合う。先輩に誘われ久しぶりにプレーすると小学生当時の純粋さが甦った。技術も錆びていない。仕事終わりに練習に没頭、仲間を集めチームを作り、第2のサッカー人生が始まった。30代前半からは選手兼監督を務めている。
○…消防では救急隊に所属。119番通報のあった現場へ救急車で駆けつける。心掛けるのは「人の良いところを見ること」。ベストを尽くしても不満を言われることがあるが、それでも一言「ありがとう」の言葉で救われる。監督でも同じスタンス。欠点を指摘するのでなく、長所を見て評価する。選手が気持ちよくプレーできる環境を整えている。
○…湘南学院や三浦学苑、チームには市内の強豪出身も多く在籍するが大学などで挫折した選手も多い。そんな彼らに伝えている言葉がある。「身近な週末のヒーローになれ」。スクール指導やOBのつながりで日頃から関わる子どもたちがいる。昇格を決めた日曜日のリーフスタジアムにも多く駆けつけてくれた。ピッチに声援を送る子ども、応えた選手。その光景を見て自分の言葉が現実になってきている実感がある。
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