横須賀市は今月19日、2社の企業誘致が決定したことを発表した。コンビニエンスストア向けの弁当などを製造する戸田フーズ株式会社と、バイオマス発電を手掛ける株式会社横須賀バイオマスエナジー。両社とも追浜工業団地内に新事業所を立ち上げる。いずれも2018年度中の操業を予定しており、市の企業等立地促進制度の適用に向け、手続きを進めている段階。雇用機会の拡大や市内産業の活性化に期待がかかる。
市内産業の振興や経済活性化を目的に、企業の誘致に力を入れる横須賀市。各種の奨励金・補助金や課税の免除、立地の規制緩和などの制度を設けている。2003年度から昨年度までにこれらの制度を利用して誘致した企業は26社28件。市は、今年度から5年間の「企業誘致アクションプラン(2次)」を策定しており、ICT事業者の集積や既存企業への新・増設の働きかけ、設備投資の支援なども行っていく方針だ。
コンビニ向け事業拡大
今回、誘致が決まった戸田フーズ(株)(本社/埼玉県戸田市)は、既に夏島町に弁当工場とコンビニエンスストアの配送センターがあり、事業拡大のための工場新設。浦郷町の機械関連会社跡地に建設する新工場では、コンビニ向けのチルド製品(サンドイッチ・パスタ・サラダ)を主要生産品目に、県外にも配送される。
用地面積は約2万1000平方メートル、建物の延床面積は約6600平方メートル。新たにパート従業員など600人を雇用する方向で、企業内保育所を設置する計画だという。今年12月に着工し、操業開始は2018年4月ごろ。両工場合わせた従業員数は約1200人となる。
「都市型」の発電事業所
浦郷町5丁目のリサイクル事業所跡地にバイオマス発電所を新設するのは、(株)横須賀バイオマスエナジー。近郊の自治体、造園・建設業者から排出される伐採木・剪定枝などの木くずや、木チップを主燃料にした発電を行う。親会社の廃棄物処理業者(株)タケエイは、東北地方などで森林間伐材を利用した発電プロジェクトを手掛けており、新施設は都市部の再開発事業等で発生した木質資源も有効活用するエネルギーの地産地消―「都市型バイオマス発電」として注目されている。
発電量は約6950kWで、一般家庭約1万5千世帯の年間消費電力量に相当し、小売電気事業者に売電する予定。用地面積約1万2300平方メートルのうち建物の延床面積は約5000平方メートル。従業員数は約30人で、再来年の操業を見込んでいる。
地元関係者は歓迎
マンション建設などで人口増が続く追浜地区は、横浜DeNAベイスターズの練習場移転に続き明るい話題。追浜商盛会の織田俊美代表理事は「若い世代が増えている中で、地元事業所での雇用の拡大は、地域の活性化につながる。交流人口の増大と賑わい創出に期待したい」と話している。
横須賀版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>