児童数減少などで2009年度末に閉校した旧光洋小学校(鴨居2丁目)が、入札で売却される。横須賀市は当初、マリーナなどの用途を優先した売却を想定していたが、利用目的を限定しない一般競争入札となった。開札は12月9日(金)。市内には、跡地利用が決まっていない旧学校施設がほかにもあり、防犯・安全面などでも地域から不安の声もある。
県営浦賀かもめ団地に隣接する旧光洋小学校は、敷地の三方が海に面する立地が特徴。1973年に開校し、ピーク時には約1300人いた児童数も減少、2009年度末に鴨居小学校と統合した。売却されるのは建物(校舎・体育館・プール施設など)付きで、敷地面積は17094・81平方メートル。最低売却価格は1億9850万円となっている。校舎の一部と体育館を2年以内に解体撤去することが条件。閉校以降、施設を使用していないため、修理が必要とされる建物もあるほか、敷地に含まれる護岸も、「重点点検」となっている。
跡地利用については、統合の際に連合町内会が多目的利用施設の設置など要望書を提出していた。一方で市は、海岸に隣接していることから、マリーナなど護岸管理が可能な住宅以外の用途を模索していたが、売却の目途が立たず、一般競争入札となった。
閉校から6年余り、フェンスで囲まれて未利用地となっている現状に、地域住民は「今は、防犯など安全面でも心配」と話す。同団地自治会会長の具志堅吉治さんは「かもめ団地は高齢化が顕著。世代を問わず地域が参加できる交流の場になってほしい」と期待する。
厳しい立地条件
市は閉校後の学校施設について、基本的に売却する方針で進めているが、旧上の台中(鴨居2丁目/11年閉校)を対象に今年4月に行った2回目の入札は、売却価格を大幅に下げたが不調に終わり、買い手がつかない状況。森崎の旧市立横須賀高校跡地は、閉校から宅地分譲の事業に至るまで、約10年かかっている。
学校施設は住宅街にあったり、市街地から離れた立地で利活用の条件は厳しいとされる。旧光洋小も「海岸沿いで駅からも遠いため、手を挙げる事業者がいるのか」と前出の具志堅さん。他には、旧坂本小・旧平作小も跡地の利用が決まっておらず、市は「準備中」と話すにとどまっている。
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