横須賀市は12日(日)、市制施行110周年を祝う記念式典を本町の「よこすか芸術劇場」で開く。祝賀アトラクションとして地域で継承されている民俗芸能4団体による公演が盛大に行われる。このほか市政功労者や住みよい社会づくりに尽力している市民などの表彰もある。入場自由。
市は1907年2月に市制へ移行した。県下では横浜市に次いで2番目、全国では59番目。当時の人口は6万2876人、戸数は1万1433戸だった。
当日の式典では、1967年に市制60周年を記念してつくられた堀口大學作詞、團伊玖磨作曲の「横須賀市歌」を斉唱する。
メインとなる祝賀アトラクションでは、民俗芸能4団体がステージに立ち、それぞれが伝統の演舞を披露する。
「佐島御船歌(おふなうた)保存会」では、48曲あるとされる佐島御船歌を大楠小の児童が加わって朗々と歌い上げる。
江戸時代中期から演じられている勇壮な虎芸を見せるのが「中村町内会虎踊り保存会」と「浦賀虎踊り保存会」。野比中村の虎が1頭なのに対して、浦賀は親子2頭の虎が登場し、囃子に合わせて暴れるように踊る。どちらも近松門左衛門の国姓爺合戦の主人公、和藤内の虎狩りを題材にしているという。
「長井町飴屋踊り保存会」による飴屋踊は、同町新宿地区に江戸時代末期頃に安房上総(現在の千葉県中南部)から伝えられたもの。街頭の飴売りが人寄せのために歌舞を面白おかしく演じたのが始まりとされている。
佐島御船歌と長井町飴屋踊は市指定重要無形民俗文化財。野比中村と浦賀の虎踊は「横須賀の虎踊」として国選択無形民俗文化財に指定されている。
祝賀会は午前10時開式。会場ロビーでは、昔の横須賀の様子がわかる貴重な写真や資料を集めたパネル展示も行う。
親子で共演で「飴屋踊」
長井町飴屋踊り保存会(飯山健一会長)の悩みの種は後継者不足だ。6人いるメンバーは高齢化しており、地域で代々継がれてきた”宝”が途絶えてしまうことをかねてから危惧していた。
今回、保存会は市政110周年の記念舞台を好機と捉え、親子で参加してくれる踊り手を募集。子ども7人、大人4人が呼び掛けに応え、新たにチームを編成した。
披露する演目は「子守」(ねんねこ)。古参メンバーのお囃子に合わせて、手に傘を持ったあねさんかぶりの少女に扮して踊る。約10カ月間の練習の成果を発揮する。
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