長井町漁業協同組合は県内初の事業としてサーモンの養殖に取り組んでいる。ノウハウを持つ宮城県の漁網メーカーと連携したもの。主に漁協がハード面を整え、同社が魚を管理する。先月下旬からは長井産の「荒銀サーモン」と名づけ、市場に出荷。来年には直売所やネットを通して消費者への販売を目指している。
8千尾を小田和湾沖で
小田和湾沖に設置された10㎥の5つの生簀。ここで同漁協と石巻市に営業所がある日東製網株式会社が養殖サーモン8000尾を管理している。東北で主にイワシの養殖を行う同社は東日本大震災の影響で生簀などが壊れた用具不足の問題や、水温の高い地域での養殖場を探していた経緯があり、温暖な相模湾に位置する長井漁協が受け入れる形で数年前から連携している。
小田和湾は石巻より水温が3〜4度高く、潮流も早いため、「成長が早く、身が引き締まったものを出荷できている」と同社担当者は長井でのサーモンの養殖について利点を話す。2月から両者で事業を始め、1kg以上のものを長井の荒い海に由来して「荒銀サーモン」とブランド化、4月末から魚屋やスーパーの仲買人に販売。売れ行きは好調で、5月末までに完売となる見込みだ。
直売の方針も
「今年は試験的な段階。様子を見て、来年以降に取組を本格化していく」と同漁協の太田議組合長。来春は1万尾以上を養殖する方針で、消費者への販売として漁協での直売を行う考え。太田さんは「専用HPを立ち上げ、ネット上での取引にも力を入れていきたい」と展望を語る。
また、同社との連携も強化していく。今後はサーモンだけでなく、サバなども同様の手法で生産できるかを探る。養殖ノウハウも学び、将来的には同漁協の組合員だけでの生産も視野に入れているという。
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