農業と観光をつなぐ「グリーンツーリズム」のコンセプトを持ち込んだ地域活性の取り組みが、市内林の農地で動き出している。「扇子畑(せんすばた)プロジェクト」と題したもので、地元の里山再生などを手掛けるNPO法人「三浦半島生物多様性保全」代表の天白牧夫さんが中心となって進めている。事業の柱としていくのがオーダーメイド型の農業体験。地元の風土や気候に適した野菜や果物の栽培、収穫を楽しみながらその場で調理できるようにする。加工商品の開発などにも挑む。関係機関との調整を図りながら、8月末から段階的にオープンしていく。
里山で収益事業
「扇子畑」は段々畑が扇子のように広がる古くからの農地。約7000平方メートルの広さがある。所有者が高齢化を理由に農業から離れようとしていた折に、天白さんが土地の利用を申し出た。
これまで天白さんのNPO法人では、耕作放棄された谷戸の水田復元や里山再生を数々手掛けている。今回は新たに農業生産法人を立ち上げて、収益化を図りながら里山保全を行っていく。
すでに旅行会社とのタイアップでツアー企画が進行中だ。当面は農業体験の機会提供を柱としていくが、ジビエ料理やピザづくりなどのメニューを増やしていく。将来的には茅葺のコテージを建てて宿泊を受け入れることも計画している。
「高質な郷土体験を売り物にしていく。『環境共存型』の休暇という新しい概念の普及もめざしていく」と天白さんは意気込みを話した。
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