国の重要文化財である運慶仏5体を所有する芦名の浄楽寺は、収蔵庫改修にかかる費用の一部をネット上で募っている。目標金額は600万円で、先月から来年1月末を目途に募集。10月3日時点で、約13万4000円が寄せられているという。
通常、寺の改修費用は檀家らの浄財などで賄われるのが一般的だが、「生活環境の変化によって、全国的に『お寺離れ』が進んでいる。文化財や本尊を守っていくにはより多くの方の支援が必要」と今回のプロジェクトを起案した同寺の副住職・土川憲弥さん。また、ネット上で呼びかけることによって「市内だけでなく市外の人たちへの周知のきっかけにもなれば」とねらいを話した。
東日本大震災発生後、収蔵庫の下に断層があることが判明。地震対策や経年劣化の修繕の必要性が叫ばれてきたが、工事の際に仏像を運び出すことが大変なため、工事時期を模索。こうした状況下で、今月から東京国立博物館で開催中の「運慶展」への展示が決まったことで、その期間を利用して工事が行われる。
修繕にかかる費用は推定800万円。地震対策として床を張り替え、免震装置を設置。全国の美術館や博物館で導入されている設備を採用し、震災時の破損を予防する。また、仏像が安置されている台の劣化部分の修繕や照明の交換なども行う。収蔵庫の状態について、補強や装飾を行う秋谷の仏師・梶谷叡正さんは「すぐにでも補修が必要な部分もある」と話した。工事は10月末ごろから開始される。
支援者にフリーパス
今回のプロジェクトは、インターネットを経由し支援を募る「クラウドファンディング」という仕組みを利用したもので、支援者には金額に応じた「リターン」と呼ばれる”お礼”が渡される。浄楽寺では、拝観料のかからない永久フリーパスとして利用できる「浄楽寺サポーター認定証」や支援者限定の朱印帳、2泊3日の断食道場などを用意しているという。
詳細は同寺【電話】046・856・8622
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