横須賀版 掲載号:2017年10月13日号
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青年八日会

「魅力」とはオリジナリティ 文化

講演で俳優の窪塚さん

窪塚さん(左)との対談形式で行われた
窪塚さん(左)との対談形式で行われた

 青年経済人のグループ「横須賀青年八日会」(近藤 仁会長)では今月7日、地元出身の俳優でミュージシャンの窪塚洋介さんを招いて講演を行った。テーマは人の心を惹きつける強い力─「魅力」について。これを深く突き詰めて考えることで人を、街を、会社を、商品を高めていこうとする試み。独自のフィールドを縦横無尽に駆け抜ける窪塚さんの言葉からそのヒントを得た。聞き手は同会の増田英彰さん。以下は講演要旨の抜粋。

 ─「魅力」について語っていただく前段として、まずは窪塚さんの幼少時代を聞かせてください。

 「何の変哲もないサラリーマン家庭に生まれ育ちました。県立横須賀高校に入学するまでは勉強もしっかりやっていましたね。特筆すべきことのないありふれた生い立ちです。たまたま芸能界に足を踏み入れることになったのですが、『何もない自分』がいつか壁になると感じていました。だからといって、虚像をつくるわけにはいかない。『中途半端な立ち位置こそが自分なんだ』と意識するようになり、これを突き詰めることで自身を形成してきました。別の角度で振り返ると、『言葉』が好きな少年でした。駅のポスターなどに興味を引くフレーズがあったらそれをメモして、どんな意味なんだろうと考える。10代の頃は人生の指針となるそんな言葉の収集をしていました」

 ─進路に迷うことはありませんでしたか?

 「大学進学も考えて受験しましたが、叶うことなく、俳優活動を展開するのですが、その後は紆余曲折がありまして。お騒がせしましたマンションの転落事故。これが大きな転機になっています。病室のベッドで目が覚めた時、『もうこれはダメかもしれない』との思いがよぎりましたが、絶対に現場に戻るという強い気持ちで怪我と向き合いました。『これは挫折ではない、ただの骨折なんだって』。弱気になって気象予報士の資格を取って、そっちの世界に、などと考えていたら、今の自分の場所は用意されなかったでしょう。引き寄せの法則というのがあって、心で描いた未来がやってくる。僕自身、宇宙の法則だと信じ抜いています。詩にも書いていますが『起こることすべてはガイダンス(導き)』だと。たとえ戦争や天変地異が起こっても全ては自分を鍛え上げるために起こるものと考えれば何も怖くはありません」

 ─役者としての話も聞かせてください。我々の世代では、『池袋ウエストゲートパーク』で演じたキングが印象的です。

 「池袋のギャングのリーダーです。脚本ではもっとクールで大人びた設定でした。ただ自分が不良として生きてきたわけではなく、役とのギャップを感じました。説得力やリアリティを出せない。ディレクターと闘って、頭のネジのはずれたあの特異なキャラクターが誕生したのです」

「起こることすべてはガイダンス(導き)」

 ─映画『GO』の主演もありました。在日コリアン3世の話。難しい役ではなかったですか?

 「史上最年少でアカデミー最優秀主演男優賞をいただいた作品。『映画っていいな。この世界で勝負したい』と思うきっかけとなったものです。役作りの話になりますが、僕はコーヒーにミルクを垂らす感覚だと捉えています。コーヒーは自分でミルクが役。役でもない、自分でもない、その中間の存在が表出される。悲しい経験をしたことがない人にその演技はできない。当時は在日コリアンについて深く知りませんでした。どのような苦悩を抱えて生きてきたのか。文献を読み漁り、当事者に話を聞くことで役の人物に入り込みました。これを機に『自分ってなんだろう』『世の中ってなんだろう』と奥深く考えるようになりましたね」

 ─音楽活動、ミュージックビデオ監督と活動の幅を広げています。

 「レゲエディージェイ『卍ライン』として音楽活動を始めて11年になります。その当時、役者として虚構の世界にいる自分に迷いや葛藤がありました。『リアル』という言葉が常に頭の中を駆け巡っていて、これを振り払う手段として、自分が感じるままを詩にして表現する道を選びました。ひとつ山を乗り越えることができたことが自信となり、ハリウッド映画「沈黙」の誘いを受けることに繋がったと感じています。現在、ハリウッドから主演作を含め何本か話を頂いています。役者として日本では『窓際族』のような存在ですが、今の場所にいるからこそ海がよく見えます」

 ─横須賀の魅力について聞いてみたいと思います。

 「現在は大阪で暮らしています。多くの人の印象はやはり『ベースの街』でしょう。横須賀の特殊性のひとつですよね。ライブで全国を回っていますが、どの街を訪れても大型店、チェーン店が林立しており、同じ顔をしています。そうした部分でドブ板通りなどは際立った個性を放っているのではないでしょうか。街も人も魅力という部分では、オリジナリティを追及していくことに尽きます。中身は何でもいい。『なにが当たると思う?』映画の世界でよくある会話ですが、『これ素晴らしいから、面白いから、カッコイイいからやってみない、試してみない』という発想と感覚が必要だと思います。ユーチューブやSNSなど個人がメディアを持てる時代です。誰でもアイデアと行動力でチャンスを掴めます。だからこそ最初の一歩を踏み出す勇気が大切。ただ踏み出したからといってベルトコンベアーに乗ってどこまでも行けるわけではありません。その一歩が永遠に続いていくのだと思います。この繰り返しが魅力を高めることや人生の成功に繋がっていくのではないでしょうか。これが僕の変わった立ち位置からのメッセージです」

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