科学の学生コンクール「第61回日本学生科学賞神奈川県作品展」が先月19日、神奈川県立青少年センターで開かれ、馬堀中学校3年生の松下竜大さんが最高位の県知事賞を受賞した。寄生虫のアニサキスの生態解明に挑んだ研究発表で評価を得た。松下さんの作品は今月中旬に行われる中央予備審査に出品され、通過すれば日本科学未来館(東京)で開催される全国大会に進める。
動機は「刺身で食べたい」
研究タイトルは「サバを刺身で食べたい! ─1075匹のアニサキスを採取して分かったこと─」。釣りを趣味とする松下さんは中学1年生の頃、サバを捌いている最中に体長2〜3cmのアニサキスを発見。これが寄生した生魚を食すと食中毒を引き起こすことを知り、「どうすれば刺身で食べることができるのか」をテーマに研究を開始した。
1年時にアニサキスの生態解明に挑み、2年時に埼玉県から横須賀市内に転校したことで研究を加速。サンプルとなるサバを自分で調達し、アニサキスが集中する部位や死滅する温度・時間の調査を進めた。
詳しく知るために都内にある「目黒寄生虫館」を訪れ、研究員に質問するなどして学びを深めた。今年はそれをまとめる作業に費やし、集大成として発表。現時点では、「生の状態ではアニサキスを死滅させることはできない」と結論づけている。ただ、今回で研究を終わりにしておらず、次のテーマも見つけている。「松輪サバと思わる魚を何匹か釣り上げているが、寄生の実態がない。海域や水温など因果関係を調べたい」と意欲を燃やしている。
今回の評価について、同校の高橋享子校長は「中学生らしい動機をアカデミックに昇華させている点が立派」と松下さんを称えた。
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