今月29日の「横須賀トモダチジャズ2017」に出演する 塚原 小太郎さん 長沢在勤 65歳
ジャズと海どっちもある
○…海辺に暮らすジャズピアニスト。日焼けした肌にアロハシャツをさらりと着こなす。昼はウインドサーフィンで風と戯れ、夜は自身が経営するラウンジで演奏に興じる。好きなことには貪欲。裏を返せば、好きなことしかしない生き方を貫いてきた。愛してやまないメインストリーム・ジャズは、とことん真摯に向き合ってきた自負がある。「自分の音楽を主張しながら、聴衆もしっかり楽しませる」。これが築いてきたスタイルだ。
○…父は作曲家、母はチェリストという音楽一家に生まれ育った。「今にして思えばクラッシックしか聞こえてこない、特異な環境」。英才教育を受けるも譜面通りの演奏に嫌気がさし、東京芸大付属高校卒業後、音楽とは距離を置くようになる。運送会社で慣れない仕事に悪戦苦闘している最中、就寝前のラジオから流れたジャズの名手、オスカー・ピーターソンの曲に雷を打たれたような衝撃を受けた。「譜面なしのジャズとの出会い。自分の音楽を取り戻した」。
○…音楽的な下地はあったが、本場アメリカのジャズを自分の目で、耳で確認したいと、オーケストラの助手の仕事を志願。帰国後は都内のナイトクラブのドアを叩いて出演交渉しながら腕を磨いた。ミュージシャンとの親交がつながりを生み、ハイファイセットなど数多くのアーティストのツアーやレコーディングに参加。キャリアを積みながら地歩を固めた。
○…戦後に花開いた「横須賀ジャズ」は、多くのミュージシャンに語り継がれているが、「EMクラブ」を含め往時の熱気を知らない。今は一部の有志が、その残り香をかき集めて、ジャズの街の再興に挑んでいる。その心意気に共鳴、「トモダチジャズ」は昨年続いて2度目の出演となる。最後にジャズとウインドサーフィンの接点を質問。「弾きたいように、(海原を)走りたいように。どちらも自由さが魅力かな」
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