最新号:2012年1月27日号
2010年5月14日号
○…言葉だけがコミュニケーションの手段ではない。音楽も、人と人とが通じ合える。だからこそ願う。障がいの有無に関わらず、一緒に楽しみたいと−。音楽会にはプロの音楽家を迎え、また自らも歌う。客席ではボランティアスタッフが待機し、じっと座っていることが苦手な子どもに対しても支援できる体制を迎えた。「いつの日か子ども達自身が出演して、拍手喝采を受けてもらいたいです」。
○…音楽療法士として自閉症など障がいのある子ども達をサポートしている。横須賀市内を中心に自宅まで個別訪問。ニーズがある所に出かける毎日だ。意思疎通、表現力向上、楽器の演奏など音楽療法の目的は幅広い。「リズムが合ったらニッコリと笑ってくれたり、私の手を引っぱってピアノまで連れて行ってくれた時は本当に通じ合っていると実感します」。興味に応えられるよう、車の中には電子ピアノや太鼓、ベルにハープなど常に多くの楽器を積んでいるという。
○…4歳からピアノを習い、洗足大学(川崎)に進学後は声楽を専攻した。音楽療法との出会いは、知人から知的障がい者がいる施設で歌わないかと誘われたのがきっかけだった。それまで人前で歌ったのは大学のテストの時くらい。とりあえず習っていたイタリアのオペラを歌ったという。すると目の前の約60人がピタッと止まり、真剣な眼差しで聴いてくれた。全身鳥肌がたつ程の出来事だった。それから、障がい者のための音楽を求めて同大学で専門的な研究を開始。療法士の資格を取得後は、現場での経験も積んできた。
○…“音楽療法の道”を信じてここまで走ってきた。偶然の出会い、高まるニーズ、自分を信頼してくれる子どもや家族。運命的だとすら感じる。そして、障がのある人達を招待し、初めて開く音楽会。300人を前に披露する自分の歌声。今、“初声町”在住なのも運命だろうか。その答えは、きっと道の先にある。