神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
三浦版 公開:2013年9月20日 エリアトップへ

二町谷の土地売買白紙に 保証金未納で契約解除

公開:2013年9月20日

  • LINE
  • hatena
契約解除の方針を発表する吉田市長
契約解除の方針を発表する吉田市長

 三浦市の二町谷埋め立て分譲地に関する売買契約保証金未納問題について吉田英男市長は18日、会見を開き土地売買契約を結んだ(有)吉龍(内田信吉社長)との契約解除を発表した。

 吉龍は、契約保証金として売買金額の10分の1にあたる約2億円を市に納入することになっていた。しかし、市の再三にわたる催促にも関わらず、7月10日の本会議で可決後から2カ月経っても振込はなかったことが解除の理由。

 会見で吉田市長は「市民や議会にこの件に関して、心配を掛けたことを申し訳なく思っている」と陳謝した。今回の契約保証金が振り込まれなかったことに関して「話し合いを進め契約に至ったのに、振り込まれないことは想定外だった。今回の件で、二町谷の土地活用に至る筋書きが崩れたことは非常に残念」と説明した。「保証金の納入は契約書に書かれていること。これが履行されなかったことが問題」と契約不履行を強調した。「市としても納入を働きかけたが、応じることはなかった。いつまでもこのままにしておくわけにはいかないので解除を決断した」とこのタイミングに至った理由を説明した。違約金を求めるのかという質問には「今回の契約解除による違約金を吉龍に求めることは現時点ではない」と話した。市は、土地売買に関する収入を見越して今年度予算に組み込んでいる。吉田市長は「補正予算で修正する」と話した。

 吉龍は、栃木県足利市で食品の輸入などを扱う会社。契約を結んだ土地は、埋め立て地内の4・4haで売却金額は約20億1500万円。練り物加工工場ほかを建設する意向を示していた。

 東北出身の内田社長は、今回三浦で事業を始めるにあたり、震災の被災者50世帯約150人を従業員として雇用する計画だった。契約保証金を振り込まない理由として内田社長は、「被災者用の住宅確保や冷蔵施設など話が違う点がある。市は、契約保証金の催促ばかりで不信感を抱いた」と話す。この件に関して市長は「認識の違い」と話している。

 当紙のインタビューに対し内田社長は、「この状態では三浦で事業はできない」と事業白紙の方針を示している。

 三崎で事業を営む男性は「市はもっと、相手方の詳細を様々な角度から調べ、慎重に進めていれば、今回のように振り回されることはなかったのでは」と嘆く。地元に住む男性は「売れたという話を聞いて、明るい望みが出来たと思ったのに残念。三浦の財政が厳しい中、あの埋立地を今更元に戻すわけにもいかないので、今後も頑張ってほしい」。50代の女性は「こういう結果になったかという印象。あそこの土地を埋め立てたこと自体が問題。何もできなく市民にしわ寄せがきている」と怒りを露わにしていた。
 

二町谷の埋め立て地
二町谷の埋め立て地

三浦版のトップニュース最新6

災害用トイレ足りるか

三浦市

災害用トイレ足りるか

県下33市町村に本紙調査

3月29日

旧三崎中に複合施設整備

三浦地所

旧三崎中に複合施設整備

今秋ごろから順次開業へ

3月29日

浦賀沖でサーモン養殖

浦賀沖でサーモン養殖

若手漁師ブランド化めざす

3月29日

中学野球部が存続の危機

中学野球部が存続の危機

「地域移行」で再生なるか

3月15日

障害者目線で考える社会へ

障害者目線で考える社会へ

合理的配慮 4月から義務化

3月15日

目指すは「愛される力士」

天神町出身新谷さん

目指すは「愛される力士」

大相撲での飛躍誓う

3月1日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 3月29日0:00更新

  • 3月15日0:00更新

  • 3月1日0:00更新

三浦版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

三浦版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年3月29日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook