活動10年目を迎えた「諸磯の海100年先まで残す会」の代表をつとめる 出口 正志さん 三崎町在住 55歳
「おかげさまで」を胸に
○…最初はひとりで始めた海岸清掃も今年で10年目を迎えた。地元の人の他にも市外から駆けつけてくる人もいる。「私一人では続かなかったかな。家族や仲間の協力があってこそここまでできた」と感謝の気持ちを口にする。きっかけは、犬の散歩で行った海岸線に流れついていたペットボトルや発泡スチロールを目にしたこと。ゴミが浮いている海辺を見て身体が反応した。「拾わなければそのまま。子どもの頃から親しんだ海。このままではいけないと思った」。郷土に対する思いが体を動かした。
○…ゴミ拾い活動も、徐々に近所の人や仲間が集まり定期的に行うようになった。家族の協力も大きい。45リットルの袋はすぐにいっぱいになったという。自由に参加する、が真情。「始まりは何時、終わりは何時などきっちり、細かく物事を決めて行うと長続きしない」とコツを明かす。
○…生まれも育ちも三浦。子どもの頃はおとなしい性格だったとか。家は農家。学校が終わると家の手伝いの日々。中学を卒業後、昼間は電気屋で働き夜間高校へ通う。「仕事仲間、学校の友達と多くの人と知り合うことができ充実していた」と振り返る。武道に興味を持っていた20歳の時、近くの少林寺拳法の道場に通う。仕事終了後、道場に。「体も精神も鍛えられた」。今は、指導者としても後進の育成に力を注ぐ。
○…生まれ育った地域、いつまでも美しい姿を残したい―。この思いが、10年間の活動を支えてきた。市内の小学校で海をテーマにした授業を行ったことも。「自然の大切さを知ってもらうことで、汚すことはいけないということを学んでほしい」。御殿場の自動車整備工場に勤務。単身赴任。毎週末、三浦に帰る。車で約3時間。「車も運転も好きなので苦にならないよ」。清掃活動はこれからも続けていくと断言。「海岸清掃を切り口に、出会いが生まれる企画をいつか仕掛けたい」と思いは広がる。
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