ダイオウイカは未成熟の雌 研究者らが学術解剖
横須賀市の走水漁港で3月に捕獲されたダイオウイカの学術解剖が8日、京急油壺マリンパークで多くの報道陣が見守る中おこなわれた。解剖の結果、ダイオウイカは未成熟の雌で、人間で例えると中学生ぐらいであることが分かった。
ダイオウイカは、3月12日に走水漁港入口付近の水面で生きている状態で発見され、漁協関係者が素手で捕獲した。漁協から連絡を受けたマリンパークの職員が確認し、ダイオウイカと判明。ダイオウイカは輸送中に死亡し、その後冷凍保存されていた。発見から解剖まで約5か月かかったことに関して同館は、「解剖により新たな情報を得る可能性が高いと判断し、外部研究者による解剖の実施を計画した。研究者のスケジュール調整の結果、今になった」と説明した。
ダイオウイカの解剖にあたったのは、窪寺恒己博士(標本資料センターコレクションディレクター)、倉持利明博士(動物研究部長兼昭和記念筑波研究資料館長)、谷田部明子博士(標本資料センター非常勤研究員)。窪寺博士によると、今年はダイオウイカの発見が多いという。「日本海では年に1〜2は発見されているが、今年1月から5月にかけて20も発見された。東京湾で発見されることはほとんど例がない中、今回の発見は希少価値が高い」と驚きを表した。
ダイオウイカの全長は438cm、重さは24・28kg。研究者は内臓を切り開き、胃や心臓ほか各臓器を取り出してひとつひとつ調べた。中でも、研究者が関心を寄せたのは大きな胃袋と内容物。内容物を調べると、大半が水分で魚の鱗が発見された。「水分は、食べたものが消化されたもので鱗はマエイワシだと思う。貴重な資料になる」と窪寺博士。また、墨袋の大きさにも関心を寄せた。窪寺博士は「生きている状態で見つかったので、なぜ深海に生息するダイオウイカが海の表面まで上がってきたのか。海流の影響が考えられるが詳細は分からない」との見解を示した。謎が多く今後も研究を進めていくとしている。
同パークでは9月13日(土)から一般公開される。
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