神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
三浦版 公開:2014年11月21日 エリアトップへ

三浦の散歩道 〈第72回〉 みうら観光ボランティアガイド協会

公開:2014年11月21日

  • LINE
  • hatena
原稲荷神社
原稲荷神社

 原区に4年毎の9月の始めに行われる祭礼があります。神輿や山車(だし)が区内を練(ね)って、所々で祭詞を奉上し、獅子舞を舞い、家内安全と共に五穀豊穣や商売繁盛を祈願するのです。その元が、「原稲荷神社」です。

 宮川へと流れる狭塚川の上、小高い処へと石段が続いています。その石段は70段以上もあります。この階段は平成元年の2月に1,153名の「建設寄付奉賛者」の方々によって作られたということで、階段の両脇に「奉納 正一位原稲荷神社」と記された幟(のぼり)がみられます。

 鎌倉時代に書かれたと言われる『稲荷記』には、「延暦三年(784)、魏国(ぎこく)ヨリ日本国ニ移リマシマス時、御在所ナクシテ山城国ノ管、愛宕ノ郡ニ御経廻(ごけいかい)、御躰(おからだ)イネヲニナハセ給ニヨリテ、世俗ニ稲荷ノ神ト名ツケタテマツル」とあります。ただ「魏国」があったのは、日本の古墳時代のことですから、その通りとは言えません。江戸時代になると、「伊勢屋・稲荷に犬の糞」と江戸っ子の諺があるように稲荷社が多く存在したのでしょう。天保5年(1834)に書かれた『◎曹雑識』によると、江戸内106の稲荷について、横綱から前頭に至るまでの番附を紹介していると言われています。稲荷神社の祭神は「宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)」と言い、この神は須佐之男命の子で、穀物神です。その総本社が京都の「伏見稲荷大社」です。創建は和銅4年(711)2月初午の日に顕現した神を渡来系氏族秦(はた)氏の祖、伊呂具秦公(いろくはたきみ)が勅令によって祀ったところ、五穀おおいに実り、天下の百姓は豊かになったと伝えています。天慶5年(942)神階が正一位になっています。これが幟(のぼり)に描かれる「正一位」の由来とのことです。

 「原稲荷神社」も祭神は「宇迦之御魂大神」と「須佐之男命」の二柱を祀っています。由来が記されている掲示を見ますと、創建は江戸時代とも、それ以前とも言われていて定かではないと記されています。ただ、境内に奉納されているお狐さまには元治元年(1864)との年号が読みとれるとのことです。明治42年に海南神社に合祀されたのですが、ある日、稲荷大明神が原区の古老の夢枕にたたれて、原のお社(やしろ)に帰りたいと、お告げがあり、昭和27年(1952)に区民の総意で、元の境内に再建をした、とのことです。その後、平成14年に社殿を新しく建てられて、現在に至っているそうです。

 9月3日が祭礼日だが、このところ、9月の第一日曜日に海南神社の宮司によって祭詞奏上があり、囃子や獅子舞が奉納されるとのことで、4年毎には大祭が催されるとのことです。深閑とした境内には、「地主弁財天」や「疱瘡神」も祀られています。

つづく

◎は礻と司

 

三浦版のコラム最新6

100まで元気!健康ワンポイントアドバイス

連載

100まで元気!健康ワンポイントアドバイス

三浦市社会福祉協議会 長 惠

3月15日

第53回 「ハコベ」と春の七草

三浦半島 草花歳時記

第53回 「ハコベ」と春の七草

文・写真 金子昇

3月1日

100まで元気!健康ワンポイントアドバイス

連載

100まで元気!健康ワンポイントアドバイス

三浦市社会福祉協議会 安東茂樹

2月16日

第52回 ふるさとの樹木「スダジイ」

三浦半島 草花歳時記

第52回 ふるさとの樹木「スダジイ」

文・写真 金子昇

2月2日

100まで元気!健康ワンポイントアドバイス

連載

100まで元気!健康ワンポイントアドバイス

三浦市社会福祉協議会 田村純

1月19日

第51回  半常緑低木「オオバイボタ」 

三浦半島 草花歳時記

第51回  半常緑低木「オオバイボタ」 

文・写真 金子昇

1月5日

あっとほーむデスク

  • 3月15日0:00更新

  • 3月1日0:00更新

  • 2月16日0:00更新

三浦版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

三浦版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年3月27日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook