神奈川県は先月28日、「かながわスマートエネルギー計画」の一環として推進する小型風力発電プロジェクトの公募結果を公表し、三浦市内に発電機2機を設置する事業提案を採択した。現地調査や地元住民への説明を行った上で工事に着工し、来年4月中には本格稼働したい考え。
県が平成26年4月に策定した「かながわスマートエネルギー計画」。小型風力発電プロジェクトは、その基本政策の1つとして盛り込まれている再生可能エネルギーの導入加速化による普及拡大と、安定した分散型電源の導入拡大の一環として取り組まれる。これは県内の地域特性を活かして太陽光・風力・小水力・温泉熱を利用した発電装置を設置し、自然エネルギーの地産地消を推進するもの。なかでも立地条件の制約が少なく雨天・夜間でも発電できる小型風力発電に着目。モデルケースとしてプロジェクトを立ち上げ、事業採算性の検証を実施し、普及促進に繋げていく。
県は今年8月から先月上旬までプロポーザル方式で事業計画を一般公募。ヒアリングを行った後、大学教授やNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の技術員など再生可能エネルギーに詳しい学識経験者による選考委員会を実施。集まった3つのプロジェクトのうち、最も評価の高かった1事業を採択した。
東京電力へ売電
今回決定したのは、横浜市青葉区に本社を置き、自然エネルギー発電事業などを手掛ける「(株)タイガー」のプロジェクト。設置費用は約3000万円で、県からの補助額はおよそ870万円になる見込み。同社は設置、維持管理のほか発電設備を活用したエネルギー教育やPR役を担う。
事業案ではプロペラを含めて高さ約20mになるアメリカのエグザラス社製の発電機2機を三浦市内に設置。管轄する県産業労働局地域エネルギー課によると、1機あたりの発電出力は9・9kWで、想定される年間発電量は3万4684kW。売電額はおよそ190万円になるという。
実施スケジュールでは来年4月にも稼働をスタートさせたい方針で、発電した電力は国が定める「固定価格買取制度」(20kW未満の買取価格55円/kWh)を利用し、東京電力へ売却する。
2機の発電機の具体的な設置場所について、県の担当者は「現時点ではプロジェクトの選定が終了した段階で、実地調査や住民説明などが済んでいないため」と話し、詳細を公表していない。
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