今年度の神奈川県保育賞を受賞した上宮田小羊保育園の保育士 戸倉 恵子さん 横須賀市在住
憧れから天職に
○…保育の現場に身を置いて丸25年。県内の児童福祉施設に長年勤務し、様々な取り組みを行う保育士に与えられる県の保育賞を受賞した。「周りのサポートがあってこそ。自分が貰っていいものかと驚いた」と謙遜しつつも、嬉しそうな表情を見せる。賞はこれまで保育士として歩んできた証であり、これからの励みであり、背負った責任の重み。「恥じないよう頑張らなくちゃね」。自分自身に言い聞かせるように軽く頷いてみせた。
○…「大きくなったら保育園の先生になりたい」―三崎二葉保育園に通っていた幼少期からの夢だった。可愛いエプロン姿と笑顔でピアノを弾いたり歌ったりする様子に憧れた。漠然と抱いていた夢は年を経るにつれて明確な将来の目標に変わり、資格を取得。20歳から今日まで上宮田小羊保育園に勤務する。「失敗なんて数えきれないくらい。でもすべては勉強、それで成長できた。大変なことがあっても子どもの笑顔見たら忘れちゃうもの」と笑い飛ばす。かつて憧れた夢は今、天職になった。
○…子どもと向き合うときは、時間をかけてじっくりと。個性を大切に、できないことや嫌いなことを決して責めず、前向きな言葉と笑顔で対話するよう心掛けている。「大勢のなかの1人としてではなく、1対1で」。園児と遊ぶことが仕事と思われがちだが、人格形成の基礎を培う幼児期、1日の大半をともに過ごす保育士の責務は想像以上に大きい。
○…これまで幾人もの子どもたちの成長を温かく見守ってきた。保育士になりたての頃、はじめて1人で歩けるようになった子を前に、感動のあまり思わずぎゅっと抱きしめたことがあった。昨日までできなかったことが、できるようになる。長い人生のなかで保育園に通うのはほんのひと時だが、日々子どもが人として少しずつ成長する姿を間近で見られることが、「やりがいに繋がっている」
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