「地域福祉の充実は支援者の健康から」―。三浦市社会福祉協議会は、職員の健康増進に関する新たな取り組みを先月末からスタートさせた。地域福祉に携わる団体として、まずは自らが住民の模範となる健康づくりを率先して行おうというもの。健康満足度を上げることで福祉サービスの質が向上するだけでなく、市民の健康意識の啓発に繋げていく考え。
きっかけになったのは、「健康寿命日本一」をめざして神奈川県が推進する「CHO構想」。企業や団体などが組織内に「CHO(Chief Health Officer=健康管理最高責任者)」と呼ばれる職を設け、従業員やその家族の健康づくりを企業の経営責任としてマネジメントしていく仕組み。個々の健康増進が、生産性の向上や医療コスト削減などに波及。経営価値を上げる好影響があるとして、近年では実践する企業が増えている。県でも昨年10月のキックオフミーティングを実施して以降、積極的に普及活動を行い、今年10月からは、県内6事業所で実証事業を実施している。
地域の健康づくりの一端を担う三浦市社協でも、CHOの取り組みに賛同。「市民の健康を支える支援者こそ、まずは心身ともに健康であるべき」と、先月末からCHOを配置し、スタートをきった。
職員を対象にした主な取り組みは3つで、1つ目は「休肝日を設ける」「タバコの本数を減らす」「運動の習慣をつくる」など個人目標を設定し、日常生活から健康増進を図る。新たに採用する保健師と管理栄養士のサポートを仰ぎながら、マネジメントを行う。2つ目は超過勤務ゼロの推進。業務内容の見直しや必要に応じた人員を補充し、負担を軽減させる。3つ目は、日々の精神状態をチェック、データ化するシステム「ウィリズム」を今後導入し、健康の可視化を図る。
一方で、CHO構想の特徴である「家族の健康づくり」にも注力。同社協では法人内で完結させず、福祉介護サービスなどを利用する当事者家族の健康支援の強化を打ち出した。たとえば、病気や障害を抱えた子どもの兄弟姉妹(通称・きょうだい児)を対象にレクを企画するなどし、交流を通してストレス発散を促していく。
将来的にCHO構想を全市的に発展させたい考えで、「現在は普及させるための実践段階」と担当者。後期高齢者が増加する2025年を見据え、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供する「地域包括ケアシステムの推進にも寄与できるのでは」と話している。
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