三崎下町地区の有志を中心に、高齢者や障がい者などへの理解を広める「こころのバリアフリー」啓発活動が行われている。「市民と三浦を訪れる観光客が安全で、楽しく快適に過ごせる街」をめざし、全市的な動きにしようと市民の輪を広げている。
バリアフリーとは、高齢者や障がい者など社会的弱者が日常・社会生活を送る上で障壁(バリア)となるものを除去(フリー)することをさす。施設整備の推進と併せて、差別や偏見など心理的な障壁を取り除く意味も持つ。
三崎地区で『こころのバリアフリー』化の普及啓発活動に取り組むのは、出口淳子さんと長崎美津子さん。SNSサイトのフェイスブックで、静岡県島田市の障がい者団体「バリアフリーてけてけ隊」の活動を目にしたことがきっかけだった。誰でも街へ気兼ねなく出掛けることができる社会づくりをめざすもので、行政や社会福祉協議会、大学、地元商店などに協力を依頼。賛同者は「何かお手伝い出来ることはありませんか?お気軽にお声掛けください」と書かれたサポーターを示すPRステッカーを掲示。そのほかにも商店街で地域交流イベントを開催するなど、バリアフリー精神を草の根で浸透させている。
日ごろから在宅ヘルパーとして介護職に携わる出口さんと長崎さんは、島田市での活動に感銘を受け、「なぜ三浦にはないのか。多くの人に知ってもらいたい」と、団体からステッカーとパンフレットを取り寄せ、自身のフェイスブック上での情報発信や近隣商店を1軒ずつ訪れて趣旨を説明。協力を呼び掛けたほか、三浦市役所や商工会議所などへも直談判して回ったという。「例えば、美味しいまぐろを食べたいと三崎に来たとして、障がいを理由に断られてしまったら」と長崎さん。「みんなが楽しい思い出を作れる三浦にしたい。それが目標です」
活動を始めてまもなく2カ月。協力の輪は徐々に広まり、今では20を超える賛同者がいる。三崎下町商店街の飲食店経営者らは、「観光地として、さまざまな人を受け入れる環境を整えるべき」「バリアフリー対応の店舗ではないが、ちょっとした配慮や声掛けでたくさんの人に食事を楽しんでもらえるなら」と賛同した理由を話し、ステッカー掲示を通して、バリアフリーについて改めて考えてもらうきっかけにも繋がったという。
今年4月から施行された障害者差別解消法や4年後に迫った東京パラリンピックの開催を契機に、「バリアフリー環境の整備は今以上に必要になるのでは」と2人。全国的な機運の高まりを見据え、今後は全市的な取り組みとしてさらに強力の輪を広げていきたいとしている。
取り組みの詳細やサポーター賛同の申込みは、出口さん【電話】046・882・5281
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