下宮田在住の深瀬カネさんが、自宅リビングを地域に開放した介護予防体操教室を開設している。健康づくりと住民同士の交流促進の核となる近所の拠り所をめざしながら、今後は生活支援や見守り活動の促進など支えあいの精神を育てていきたいとしている。
「つま先を上げて10秒数えます。1・2・3…」―。「なかよし会」と名付けられた深瀬さん宅で開かれる健康体操サロンには、15人ほどの近隣住民が集う。椅子に座ったままできる簡単なストレッチと脳トレーニングに、時おり会話を交えながら、認知症や転倒、肩こり、腰痛予防に効果的な約1時間のプログラムが月2回、にぎやかに行われている。
サロン開設のきっかけになったのは、三浦市社会福祉協議会が運営する「介護職従事者等人材育成・養成センター」と市主催の「介護予防インストラクター養成講座」だった。当初は自身の健康管理に役立てようと参加した講座だったが、昨年秋から半年間にわたって介護と認知症に関する知識や体操手法などを詳しく学んだことで、「これならみんなにも伝えたい」と思うようになったという。もともと近所同士の付き合いが盛んだったこともあり、身近な徒歩圏内で気軽に参加できる集いの場をと、自宅の開放に至った経緯を振り返る。
体操後、お茶を飲みながら交流するのも楽しみの1つで、外出する機会の創出、仲間づくり、見守りなどにも役立てられている。「健康を意識する習慣もついた。地域に広めていきたい」と深瀬さん。
今月17日のサロンには、11人が参加。市社協の理学療法士・成田慎一さんと、生活支援コーディネーターの齋藤清香さんのサポートを受けながら体を動かすと、「ぽかぽかと温かくなって気持ちがいい」などと話していた。
各地区へ普及進む
三浦市社協は、「高齢者が元気なまち。めざすは75歳現役社会の実現」を掲げ、健康意識を啓発する体操サロンを市内各地で実施。今月も小網代や城ヶ島、引橋などの自治会館で地区の老人クラブを対象にした出張講座を開いており、評判も上々。成田さんは、「ゆくゆくは住民主体の自立したグループを地区ごとに作っていくことが目標」と今後の展望を述べた。
団塊の世代が75歳以上となる「2025年問題」を見据えて、全国の自治体ごとに構築が進められている「地域包括ケアシステム」。同社協では体操サロンを、高齢者が最期まで住み慣れた街で暮らすための支援体制づくりの大きな1歩と位置づけ、三浦ならではの支え合いの輪を広げていきたいとしている。
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