一般社団法人「みうら学・海洋教育研究所」の事務局長を務める 渋谷 総一さん 小網代在住 61歳
三浦の海は学びの宝庫
○…豊富な海の幸や地域経済、余暇など三浦での暮らしは海と共にあると言っても過言ではない。一方で、「以前と比べて今の子どもたちは海に触れる機会が少ない」と叫ばれ、両者の繋がりの希薄化が危惧されているという。無論、三浦の子どもたちも例外ではない。時代が変われば考え方も変わって然るべきだが、良さを知らないまま”海離れ”するのはあまりにも勿体ない。「あれども見えずなのか」と残念そうに吐露する。
○…市内の小・中学校で教鞭をとっていた元教師。中学からの夢を成就させて「とにかく必死だった」20代、経験を積み教員としての教育観が変わった40代を経て昨年3月、定年退職を迎えた。最後に校長を務めた初声中学校では、生徒一人ひとりの名前を覚えて積極的に声を掛けてまわるような「変わった校長だったかも」。第一線から退いた後も横須賀市で教育補助員を務めるなど教育一筋。現役時代から「謙虚な姿勢で子どもと保護者と向き合い、一緒に学ぶ」を信念に情熱の火を燃やし続ける。
○…「郷土三浦を愛し、たくましく生きる子供たちを育む」を掲げ、今年開設された「みうら学・海洋教育研究所」。ここで事務局長を務め、授業のコーディネートや運営協力、教員研修に知恵を絞る。まだ模索することも多いが、子どもが好奇心で目を輝かせる様が何よりのやりがいだ。「子どもの笑顔を見たら活動を辞められないよ」。協力関係にあるNPO代表がある時、笑みを浮かべ話した一言が胸に深く残っている。
○…三崎出身で父親は延縄(はえなわ)漁を営み、幼い頃から身近な存在だった海への思いは強い。単に知識を増やすためだけではなく、将来の夢や個々の価値観など皆の可能性を広げることのできる学びの宝庫。超地域密着型の生きた教材なのだ。「もっと海に出掛けてほしい。今まで気づかなかった発見があるはず」。その声が三浦の将来を担う次世代に届けと願ってやまない。
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