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三浦版 公開:2017年1月1日 エリアトップへ

3期集大成「全力で前進」 新春市長インタビュー

社会

公開:2017年1月1日

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取材に答える吉田英男市長
取材に答える吉田英男市長

 本紙は2017年の年頭にあたり、吉田英男市長に新春インタビューを行った。市内産業の活性化による雇用創出を重点課題に挙げる吉田市長。市民交流拠点の整備や二町谷埋立地利活用が進むなか、市政の現状や今年の展望について聞いた。(聞き手/編集長・松野可奈子)

 ―「実りある1年に」と掲げた2016年。振り返っていかがでしたか。

 「昨年はうらりに、三浦野菜などを扱う『うらりマルシェやさい館』がオープンしました。三崎地区には年間200万人もの観光客の皆様に訪れていただき、うらりは同地区の観光拠点です。市内産業の活性化に大いに期待をしており、三浦の野菜直売所の拠点としても位置づけ、市内外へPRしていきたいと思います。

 横須賀市と進めているごみ処理広域化においては、三浦市で担当する最終処分場の工事が起工しました。無事に完成を迎えられるよう、細心の注意を払って進めてまいります。

 昨年はこれまでの成果から派生した効果を生み出したほか、様々な事業も動き出したことから一定の”実り”を実感しています」

 ―三崎漁港の市場整備もまもなくですね。

 「『(仮称)低温卸売場』は、来春の取引開始に向けて、いよいよ今月から工事が始まります。これを契機に地域の市場関係者が一体感をもって『三崎』というブランドをPRしていくことが重要であり、私も様々な機会を利用してPRしていきます。また、水産業を核とした経済の活性化対策として、二町谷地区における海業振興を目指した用地利活用プロジェクトがあります。現在までに複数の水産関連施設事業者が二町谷地区への進出を決定しており、引き続き多目的な活用を含めた進出事業者の選定を行っています」

 ―15年度に始まった移住検討者対象のお試し居住「トライアルステイ」事業の進捗をお聞かせ下さい。

 「今年度は20世帯の参加がありました。これまで1人が東京と三浦との2拠点居住を開始し、1世帯が移住に向けた土地購入等の手続きを進めています。

 ほかにも昨年は遊休不動産の再生などを目指した『リノベーションスクール@みうら』を開催しました。実際の物件・テナントを対象に受講生がグループで再生事業計画を作成し、公開プレゼンテーションを実施したのですが、提案内容も好評で、スクール終了後もブラッシュアップを重ねて事業化の促進を行っています」

 ―17年はどんな施策に重点を置きますか。

 「今年は次期総合計画(基本計画・実施計画)のスタート年度です。人口減少対策の具体的な施策をまとめた『三浦市まち・ひと・しごと創生総合戦略』の4つの基本目標に沿って設定。25年までの重点施策を掲げています。【1】三浦市における安定した雇用を創出する【2】三浦市への新しいひとの流れをつくる【3】若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる【4】時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携する―の4つで、特に雇用の創出、産業活性化が重要です。

 観光業においては、引き続き『新たな観光の核づくり構想』を進めます。昨年、城ヶ島の2灯台が日本ロマンチスト協会から『恋する灯台』の認定を受け、ミシュラングリーンガイド2つ星の城ヶ島に新たな魅力が誕生しました。本年は新たなハイキングコースの整備やうらりマルシェなどとの回遊性を高め、ゆっくりと滞在して楽しめる仕組みを作りたいと思います」

道路整備に一定時間要す

 ―三崎高校跡地の市民交流拠点整備の進捗はいかがでしょう。

 「15年に(株)ベイシアと事業契約を締結し、校舎部分(A地区)への市民交流センターと商業施設の整備が決定しました。グラウンド部分(B地区)については、図書館などを想定し、市役所移転の候補地として検討している段階です。都市計画について17年中の決定を目指し、将来の土地利用や導入施設、道路計画など事業化に向けた詳細な検討、関係機関との協議等に取り組んでいるところです。

 また、市民交流拠点を形成するにあたっては、三崎高校跡地全体の将来の土地利用を見据えて道路を整備する必要があります。現在、円滑かつ安全に交通を処理するための計画を検討し、国道管理者である神奈川県横須賀土木事務所や、交通管理者である神奈川県警察本部への相談、協議中です。道路整備の時期は、A地区の整備に併せてB地区内道路の一部区間の整備と国道改良、それに伴う土地造成を先行して行うことを考えています。この件は、昨年8月と9月に、説明会を開催し近隣住民の皆様に説明させていただいていますが、今後も随時、説明会を開き、市民の皆様のご理解をいただきながら進めていきたいと考えています。

 ソフト面では、昨年4月から『市民交流センターを考える連続ワークショップ』を月に1度開催しています。様々な視点からの意見を取り込み『みんなの場所を、みんなで考え・創る』ワークショップです。市民交流センターの具体的な活用は、ワークショップメンバーを中心に意見交換、活用・運用計画案の作成、他市の施設見学を実施し、レイアウト等に反映させます」

 ―最後に今年の見通しと抱負をお願いします。

 「17年度も人口減少や高齢化、基準地価格の下落により市民税及び固定資産税は引き続き減少する見込みです。市税減少分は国からの普通交付税交付金で一部補われる見通しですが歳入は一段と厳しい状況です。歳出は公債費の減少はありますが、社会保障関係の経費は増加が避けられません。

 16年度の予算編成は、結果的に市の貯金である基金を取り崩して対応しましたが、基金への積立は『ふるさと納税』の効果によるもの。全国の自治体がふるさと納税を実施する中、本市への寄附金額も減少傾向のため、基金は取り崩すべきではないと考えています。

 厳しい予算編成の見通しではありますが、新年度においても経済的に事情のある家庭でも進学を諦めることがなくなるよう給付型奨学金を県内で初めて取り組むほか、消防広域化の本格稼働などを進めてまいります。残りの任期も約半年となりましたが、これまで培ってきた経験をいかして、市政を『前進』させることに全力を尽くしたいと考えています」
 

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