新鮮な三浦半島産野菜に込めた真心と元気を東北へ―。三浦市農業協同組合は、東日本大震災の発生から丸6年を迎える明日3月11日(土)、宮城県南三陸町へ被災地支援のダイコンとキャベツを届ける。
三浦市農協が初めて支援物資を送ったのは、2011年4月7日。ダイコン、キャベツなど約3000ケースを岩手県滝沢村へ、同22日には同じく3000ケースの野菜を岩手・宮城の両県に運んだ。被災地の食事は炊き出しや備蓄食料が中心で、生鮮食品が乏しかったことから新鮮な野菜の支援はとても喜ばれたという。翌年以降も農協組合員から「継続的な支援を」との声があがり、2014年からはよこすか葉山農協と合同で毎年3月11日にあわせて実施している。
大型トラックに積まれた三浦半島産の野菜は、組合員の農家に協力を呼び掛けて集めた善意の結晶。昨年は800ケースを超える野菜が寄せられ、各世帯へ配布されたという。
南三陸に真心届け
南三陸町では当初、48の地域に58、計2195戸の仮設住宅団地が建設されたが、建て替え工事や災害公営住宅への入居、町外転出などが進んだことでその数は年々減少傾向。今月4日には震災で被害を受けた地元商店街が、かさ上げした高台で新たに移転オープンするなど復興への歩みを進めている。
マグロの水揚げを通じて古くから繋がりの深い三浦市と南三陸町。震災直後から復興支援のための市職員派遣や義援シャツの売り上げを義援金として寄付するなど現在も温かい支援が続けられている。
肥料を無償提供
市内で出たし尿や農水産物残渣などから肥料を製造する三浦バイオマスセンター事業を手掛ける「三浦地域資源ユーズ」(南下浦町毘沙門)と「三井造船環境エンジニアリング」(千葉県)では、社会貢献活動の一環として、2011年11月から無償で肥料の提供を行っている。今年度は月2〜3回のペースで実施され、総計1440袋、重さにして約300トンを宮城県や福島県の農協・農家などへ届けた。
とくに福島県では東京電力福島第1原発事故後から山間部での除染作業が進まず、従来堆肥として使ってきた落ち葉を採取できない地域が多く、発生から6年が経とうとしている今も需要があると三浦地域資源ユーズの千葉智さんは話し、「必要としてもらえるならば、今後も会社として支援を続けていきたい」と意欲を示した。
実は南三陸町出身でもある千葉さん。「自分に出来ることを」と、被災地の被害状況を知った親交のある生産者へと支援の輪は広がり年に数度、農作業の合間を縫って個人でトラックを走らせて直接野菜を届ける人も。現地では学校給食の食材としても有効活用されているといい、農業を通じて東北の被災地との太い絆が育まれている。
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