市内金田にある個人宅の土間で行われている交流マーケット「土間市(どまいち)」が、まもなくスタートから2年を迎える。「人が集まり、コミュニケーションが生まれる場」にと主婦仲間が持ち寄った手づくり品の販売イベントを企画。自宅を拠点にした地域コミュニティづくりに一役買っている。
金田湾を臨む海岸道路から住宅街の路地を奥へと進むと煙突と草屋根が珍しい一軒家が見えてくる。ここが「土間市」の会場だ。玄関を入ると三浦の土を使った土壁が素朴な土間が広がり、イベント時には人であふれ、庭先までにぎやかな声が聞こえてくるという。
イベントを発案したのは、主婦の荒井郁子さん。自然豊かなところでの子育てを希望していた際、偶然出会った三浦の風景に魅かれ、数年前に横浜市都筑区から引っ越してきた移住者だ。以前から自宅の一部を開放して、人が集まる「住み開き」という新しい発想のコミュニティづくりに興味があったといい、近所づきあいや同じように移住した主婦らと新しい人脈を築くうちに「地域の人たちが集い、繋がる場を作りたい」との思いが強くなったと振り返る。そこで、誰もが立ち寄りやすい自宅玄関の土間を使った交流マーケットを開こうと仲間に呼びかけた。
「三浦には素朴で温かみある美味しいものを作る人がいる」。イベントのコンセプトは、主婦だからこそ見える視点やアイデアで生まれた商品、健康的な新しいライフスタイルの提案と共有だ。天然酵母のパン、三崎マグロを使った自家製ツナ、身体に優しいスープや惣菜・菓子、雑貨や布製品、農家直送の新鮮野菜など手づくりの品がずらりと並ぶ。当初は思うように人が集まらず苦戦もしたが、今では作り手の思いやこだわりに共感した幅広い年齢層が市内外から訪れ、閉店を待たず完売するまでになった。
時には休憩所として薪ストーブがあるリビングも開放。冬場には暖を囲みながら自然と人が輪を作り、多世代交流に花を咲かせることもあるという。
イベントは荒井さんのほか3人の主婦仲間を中心に運営され、開催は月に1回程度。家事や子育て、仕事などとの両立ができるようにと「きまぐれ販売」をうたい、それぞれが頼りあいながら気負わず、ゆるやかなペースで2年が過ぎた。今後は「もう少し食について考える機会を作ってみたい」と荒井さん。4月末から月1回の予約制ランチの提供をスタート。食にまつわるDVD上映なども加えて気軽に学べ、視野を広げる場を構想する。
次回の土間市は、6月14日(水)午前10時〜午後3時。詳細は「土間カフェ」フェイスブックページで更新。
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