6月16日にミサキドーナツでライブを行うプロサックス奏者の 朝本 千可さん 諸磯在住 57歳
好きを極め、プロの道へ
○…デビューから約30年。奏でる音色のみならず多彩なステージアイデアで観客を魅了してきた百戦錬磨のプロミュージシャン。これまで国内外の様々な舞台で演奏を重ねてきたが、12年前から居を構える三崎でのライブへの思いは殊の外強い。都心とは違う時間の流れ、豊かな自然、人の温かさ―。自身を支えるホームグラウンドでのステージは「武道館で演奏するより緊張するかも」
○…大学時代、心理学を学ぶため米国へ留学。現地のアルバイト先のジャズクラブで目の当たりにした生のサックスプレイに心を掴まれた。「私もやってみたい」。そう思い立ってから行動するまで時間はかからなかった。親は「今さら音楽なんて」と眉をひそめたが、教室に通い始めるとすぐに頭角を現した。その後、より専門性を身につけようとバークリー音楽大学へ入学。渡辺貞夫氏や小曽根真氏など世界的音楽家を輩出した名門校の扉を叩いた。
○…今でこそ珍しくなくなった日本人女性のプロサックス奏者。その草分けとして第一線で活躍した自負を聞けば、「まさかプロになるとは思ってもみなかった」と感慨にふける。幼い頃に英才教育を受けた訳でもなく、ただ好きだというシンプルな気持ちが原動力。インドネシアやマレーシア、韓国などのアーティストのプロデュースにも携わり、才能を世に送り出す裏方としても活躍する。
○…「ボーカルがない分、メロディーから好きに想像を膨らませて楽しんでもらえたら」。インターネット上での楽曲配信サービスなどデジタル化が加速する昨今。生活の中に自然と溶け込み、普段着のまま気軽に楽しめることが理想だが、現実は生演奏の良さや臨場感に親しむ場は減少傾向にある。どれほど技術が進歩しても、「音楽は1人では出来ない。耳を傾けてくれる人がいてこそ」が持論。顔が見える距離で熱気や息遣いを体感できるライブは得難いひと時となっている。
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