三浦市内で学童保育所を運営する放課後児童クラブ連絡協議会は、「ひまわりクラブ」(初声町下宮田)の施設移転などに関する陳情を先月中旬、三浦市議会に行った。建物の老朽化や土砂災害の危険性などによる要望で、吉田英男三浦市長は「本市の学童保育事業の最重要課題だと認識している」と述べ、解決に向けて引続き協議を進めていく考えを示した。
初声小学校と若宮神社のとなりに位置し、現在約35人の児童が利用している「ひまわりクラブ」。建物は平屋建ての一軒家で、築約50年が経過。老朽化による傷みが激しく、部屋の一部が使用できないなどの影響が出ており、国が望ましいとしている児童1人あたりの教室面積基準1・6平方メートルの確保が実質的に困難な状態にあるという。
くわえて、敷地の裏手は神奈川県が指定する土砂災害警戒区域の急傾斜地。天候によっては土砂崩れの危険性があるため、昨年度は自主避難を3回実施したほか、今年8月の豪雨時には近隣道路の冠水被害が発生。避難できない子どもたちは、施設に留まらざるを得なかったという。
「つい先日も一帯が冠水したばかり。いつまた悪天候になり、孤立するかも分からない」。同クラブでは不測の事態に危機感を募らせる。
クラブが保護者に対して行ったアンケートでは、建物の倒壊を心配する声や一刻も早い改善を望む意見が多く寄せられただけでなく、不安を理由に利用を見送る家庭もあるといい、根本的な課題解決を訴える。
見つからない候補地
クラブ側は新たな移転先として、初声小学校内での設置を希望するが、余裕教室や多額の教室改修費用の確保などハードルは高い。市担当課は「早急な学校内移転は困難」と説明し、吉田市長も「初声中学校の空き教室活用も検討したが難しい。今後も協議をしながら他の方策も探っていく」と述べるにとどまった。
現時点でも候補地は決まっておらず、「近隣の民間物件を探しているが、学校からの距離や家賃、安全を担保できる場所か―など条件に見合うものがないのが現状」とクラブは苦悩をにじませた。
そのほか、陳情では指導員の待遇改善補助などに関する要望があがっていた。
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