三浦版 掲載号:2017年11月17日号
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小網代の農業後継者グループ「みどり会」の代表を務める 石渡 啓人さん 小網代在住 37歳

未来へ希望の種をまく

 ○…今月11日、盛況のうちに終了した県主催の親子農業体験イベント。代表を務める地元農家の青年部では、作業指導や生育管理において全面協力で盛り上げた。今年は数々の天災が発生。それでも成長したダイコンを嬉しそうに収穫する子どもたちに感慨深げなまなざしを送る。「種から育て、自然の厳しさを知る。スーパーに何気なく並ぶ1本のダイコンを育てるのにどれほど大変か少しでも伝わったら嬉しいですね」

 ○…代々続く農家の長男。誰から言われた訳でもないが、子どもの頃からいずれ自分が継ぐのだという意識は常にあった。平塚農高初声分校、県の農業アカデミーへと進むも「農家は不安定な収入で、休みはない。本当は嫌々だった」と若さゆえの心境を述懐する。変化が表れたのは、世帯を持った使命感から。いざ真正面から取り組むと、思いのほかやりがいが多かった。気がつけば奥深さに魅せられ、「今では仕事が趣味になっているかも」

 ○…「畑では毎年1年生」。年間100種を超える様々な作物を生産しているが、日々が試行錯誤。出来に心躍らせる時もあれば、自然を前に己の無力さに途方にくれる時もある。それでもひたすら種をまき続けるのは、「ここの野菜が食べたい」と待ってくれる人がいるから他ならない。現在は農協出荷にとどまらず、三崎朝市、注文販売、近年では香港の百貨店やスーパーでの店頭販売など販路を拡大。若き挑戦者として、三浦野菜の伝統を受け継ぎながら革新をめざす。

 ○…ほんのひと昔前まで畑が広がっていた小網代地区。今は宅地化が進み、街はすっかり様変わりした。周辺の若手農家も減少。会には20代〜40代の8人が所属するのみで、今後の存続も危ういのが現状だ。市内外の子どもたちに育てる喜びや楽しく働く姿を知ってもらうことで、地域農業を担う子が出てきてくれたら。未来を見据えてまいた種。その芽吹きを今は待つ。

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