12月3日に発表会を開く、合唱グループ「ひまわりコール」の代表を務める 三ヶ部(みかべ) 静江さん 三戸在住 81歳
心で奏でるハーモニー
○…「下手でもいい、楽しく音を出す。それが音楽」。小学校教員を早期退職したのち、「好きな歌が余生の生きがいになれば」と仲間たちと発足した合唱グループ「ひまわりコール」。25年前の結成当初から日本の風景を切り取った詞と素朴なメロディーに魅了され、数々の童謡や唱歌を歌ってきた。時に生家を、母を、懐かしい友の顔を思い浮かべながら、織りなす美しいハーモニーが自慢だ。
○…音楽との出会いを遡ると、剣崎小時代の恩師の存在が真っ先に思い起こされる。優先して身につけるべきは、読み書きそろばんという時分。それにも関わらず「音楽を通じた情操教育を」と地元の篤志家とピアノ寄贈の約束を結び、児童が自由に親しめるよう学校側に掛けあってくれた。朝、放課後、休日と夢中になり、表現する楽しさを知ったことは今の価値観を形づくっている。
○…現在、会には25人が集い、披露の時を待ちながら月2回の練習に励んでいる。信条は高度な技術より、それぞれが歌詞を理解し、世界観を大切にして心で歌うこと。十人十色が集まって、1つになれる快感が何よりの醍醐味なのだという。「一番上の会員は87歳。平均年齢だって70代だけど、不思議と気持ちは年をとらないの」と笑う。全員が一丸となり、楽しく歌声を作り上げる姿はさながら、”第二の青春”を謳歌しているようだ。
○…グループの名は皆で歌を楽しむ様子を太陽のように元気で明るく、全員が同じ方向を向いて咲くひまわりになぞらえた。きれいな花をつけるには土や水が必要なのと同じように、鼓舞し合える仲間や慕ってくれる教え子、家族の支えがあってこそ。今ではすっかり愛唱歌となった会のオリジナル曲も「実は夫が作詞を、娘が作曲してくれたもの」と頬を緩める。「何もかもがおかげさまの人生ね」。2日後に迫った節目を祝う発表会では万感の思いを込めて歌声を届ける。
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