横須賀市と三浦市の市境に位置する自然体験教育施設「県立三浦ふれあいの村」(三浦市初声町和田)の運営が、来年4月から民間事業者に移行される見通しであることが明らかになった。現在の指定管理者である公益財団法人「横浜YMCA」に県が無償で貸し付け、機能の存続を図る計画だが、同法人は利用料の大幅な値上げを打ち出している。
1泊103円→1300円
和田長浜海岸に隣接する「三浦ふれあいの村」は、海洋野外教育の拠点として1972年に建設された施設。宿泊機能を備え、約400人を収容できる。体育館や芝生のグラウンド、野外炊事場もあり、使い勝手の良さや低廉な料金で利用できることから、三浦市内外の小中学校や青年団体などに広く利用されているほか、周囲の豊かな自然を活かしたシーカヤックや磯の観察、キャンプといったアウトドアプログラムが行われている。
利用者の負担増
県は財政難を理由に公共施設の見直しを進めており、会期中の県議会に現在の指定管理者である公益財団法人「横浜YMCA」に運営を移行する条例改正案を提出。来年4月から同法人が自主運営していく方向となっている。
危惧されているのが利用者負担の増大だ。県は指定管理料としてこれまで約1億5千万円を支出してきたが、これがなくなるためその分の負担が利用者に転嫁されることになる。
同法人は新しい施設利用料(予定)を公表しており、現状で県内の小中学生の宿泊料は1泊103円から1300円と大きく跳ね上がるほか、食費やリネン代も値上げとなる。
横須賀市議会で議論
先月30日に開かれた横須賀市議会の一般質問では、「利用者負担の増大など教育機関へ影響がある」と議員が発言。「県の説明も十分でない。従来通りの運営を県に求めるべき」と市に質したが、答弁した上地克明横須賀市長と教育長は、「県として民間貸し付けの方向性が示されている中での決定」とし、意見を述べる考えがないとの姿勢を明らかにしている。
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