逗子災害ボランティアネットワークの代表を務める 野内 博さん 逗子市山の根在住 73歳
共助の精神で
○…「”やってあげる”んじゃない。被災者を自分の『分身』と考えて”一緒にやる”のがボランティア」。阪神大震災以降、被災地の救援復旧に大きな役割を果たしてきたボランティアの存在。その活動を効果的にコーディネートする窓口として各地で「災害ボランティアネットワーク」は設立された。元々は自分たちの街が被災した時の受け入れ窓口。しかし設立から8年、逗子でも単なる窓口から被災地への支援活動、防災の啓発活動などここ数年で活動の幅も広がりつつある。
○…「(東日本大震災から)もう3週間。避難所生活もそろそろ限界のはず」。そう語らせるのは自身もかつておくった避難所生活の経験から。昭和39年におきた新潟地震。震度6度強の地震に見舞われ、小学校の体育館で10日近くを過ごした。「水もない、食べ物もない、今みたいにボランティアも助けに来てくれない。とても暮らせるものじゃなかった」と振り返る。今も鮮明に蘇る震災の記憶。だからこそ、被災者の気持ちにも実感が沸く。「まずは仮設住宅の普及が急務。被災地の人たちが一刻も早くまともに暮らせるようにしてあげてほしい」。
○…生まれは新潟の下町。近所同士で勝手に他所の家に上がり込んだり、他の家の子を叱り付けたりと「近所の付き合いがすごく濃いところ」だった。逗子に移り住んだのは11年前。人と人との繋がりの近さ、地域のまとまり、どことなく故郷に近いものを感じる。「ほどほどの規模だと、今回みたいな時も支援の輪も広がりやすい。こういうところも逗子の良さ」
○…県内の他の災害ボランティアネットワークとの連携強化や隣町の葉山を含めた組織の再構築など、会として今後の課題は多い。「災害のような緊急の時はどれだけ一緒にやってくれる人がいるかが重要。それを広げるのも自分の役割」。どんな時でも大切なのは人の力。その輪を広げることが地域の防災力になる。
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