(社)逗葉医師会の会長に就任した 池上(いけがみ)晃子(てるこ)さん 逗子市逗子在住
患者さんの代弁者として
○…発足から65年、現在地域の96人の医師が在籍する(社)逗葉医師会。医療分野における行政への提言や休日・夜間診療を行う地域医療センターへの事業協力、災害時の備えなど、医師同士が連携を深めながら体制の拡充を図る”地域医療の要”だ。会のかじ取り役への就任に「医療に関して、この地域の最終的な責任を負わなければならない立場。大変な重責を感じています」と心境を話す。
○…一番初めに考えたのは災害対策。東日本大震災クラスの震災がこの地域であった場合、医師会としてどう対処するか、今後に向けて大きな課題ができた。「初動でより機能的に動くためには今一度、医師のネットワークを見直す必要があります。それに医薬品の備蓄のことを考えないと」。医師が処方箋を出し、薬局が薬を出す現在の”医薬分業”の時代においては各医療機関に備蓄されている医薬品の量はごくわずか。制度や慣習の壁はあるが「非常時への備えとして各医療機関で備蓄を進めるべき」と必要性を訴える。
○…物腰の柔らかな話し方、にっこりと微笑む笑顔が印象的だ。医師を志したのは中学校を卒業する時。将来を考えたとき「人のためになる仕事をしたい」と直感的に思った。世の中に数多ある職業の中で一番人のためになる仕事は何か。考えた末に当時15歳の少女が出した答えは人の命を救うことだった。「幼少の頃、よく教会に出かけたんですが、その時の影響が大きかったんだと思います」と微笑む。
○…県内でも高齢化が加速度的に進む逗子葉山。そんな中、今後重要になるのが大病を未然に防ぐ「予防医学」だ。「病気になったとき、高齢者は経済負担が問題になる。今後は検診をもっと増やすべき。医師会としても受診者の負担を減らすよう、行政に働きかけていきます」。大切なのは患者の目線を持ち続けること。患者の声の代弁者として、会のかじ取りが始まった。
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