市民目線の評価を市の行財政改革に取り入れようと逗子市は3日と4日、初の「市民による事務事業総点検」を実施した。評価では市民66人が参加。対象となった18事業の必要性や有効性について議論した。評価(多数決)の結果「現行通り」が半数を超えたのはわずか1事業。残り17事業については「要改善」、「要改善または現行通り」、「不要」と厳しい評価が下された。
対象となったのは自然環境評価システム維持管理、体育振興、老人クラブ育成、し尿処理事務費など全18事業(左下表参照)。市担当者と評価者が6月から8月にかけて3回会議を実施し、564事業の中から見直し対象事業として選定した。
評価は1事業につき4人から9人の評価者が担当。会場では評価者から事業の必要性や予算の妥当性などの説明を求める質問が飛び交った。また評価者が独自に近隣自治体を調査し、そのデータを引き合いに市担当者に鋭く迫る様子も見受けられた。
今回、質疑のあと評価者が事業について「不要」「民間で実施」「国・県・広域で実施」「要改善」「現行通り」のいずれかを評価。多数決の結果、15事業が「要改善」か「要改善または現行通り」(同数)、2事業が「不要」と判断された。
市民団体への助成・老人クラブ育成に「不要」
「不要」と評価された事業は2つ。一つは池子米軍住宅地区の返還を求めて国などに返還を求めて要請を行っている市民団体「逗子市池子接収地返還促進市民協議会」への助成。毎年72万円が助成金として交付されているが同協議会が毎年大半の補助金を返納していることから5人中4人の評価者が「助成は必要ない」と判断した。
2つめは「老人クラブ育成」事業。今年度の予算ベースで老人クラブ連合会と各クラブに合計約683万円の補助金が計上されており、各老人クラブが会合や講座、ボランティアなどに利用している。しかし評価者からは「市の助成ではなく、利用者の自己負担で開催するべきでは」との意見が半数以上を占め、7人中4人が「不要」、3人が「要改善」と評価した。
今回、「現行通り」と評価されたのはし尿とペットボトル処理の委託費として計上している「し尿処理事務費」のみ。ほとんどが「要改善」という厳しい結果だった。初の事業点検を振り返って平井竜一市長は「市民の方に事業の選定から点検までをして頂いたことに意義がある。評価の結果はしっかりと受け止めて、今後に役立てたい」と話した。
また評価者の一人として参加した久木在住の上泉秀俊さんは「新しい視野、考え方をするためにも市民の目線を取り入れるのは大変いいこと」と話した。市では今回の評価結果を12年度の予算案などに反映させる方針。
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