葉山町社会福祉協議会はこのほど、災害時などに要援護者を支援するための新規事業を立ち上げた。町民からの寄付を受けてのもので、要援護者への防災用品配布など3事業を盛り込む。配布活動などを通じて、要援護者を生活の孤立から防ぐ狙いがあり、事業を通して要援護者とのネットワークを強化、防災と福祉を両輪で進める構えだ。
寄付があったのは今年3月。町内在住の女性から「町の福祉に役立ててほしい」と1千万円が寄せられた。
同社協では寄付金の受け皿として利息を運用する「ともしび基金」と本人の意思に添って特定の事業に寄付できる「指定寄付」があり、それぞれ500万円を基金として積み立てた。
これまで町職員や町民などで組織される「ボランティアセンター運営委員会」が指定寄付の用途について検討を重ねる中、高齢者など要援護者の孤立が懸案として持ち上がった。全国的に地域での支え合いのシステムが弱まり、孤立死や虐待などが社会問題になっていたためだ。
これまでも声かけなどの福祉活動は行われてきたが、要援護者との繋がりがなく、コミュニケーションが深まらないのが課題だった。そこで案として浮上したのが、防災用品の配布。同社協から自治会や町内会などに配布を委託し、使い方の説明や水、食料品などの消耗品の交換を通じて関係性を深める。日ごろから要援護者の生活状況などを把握することで地域で支える力を高め、防災と福祉を同時に向上させることができる、というわけだ。
防災用品には80万円の予算をかけ、400セットを配布する予定。袋には避難経路などを示した防災マップやマスク、懐中電灯、軍手、水・食料などが収められている。消耗品の買い替え費用については同社協が負担する。
同社協ではこのほかにも町内会などを対象に車いす2台、携帯スロープ1台までを貸し出す福祉用具給付事業を実施。予算は150万円をかける。さらに今後、災害ボランティアセンターの備蓄品倉庫の設置事業費として100万円の予算計上を見込む。
防災用品と福祉用具の給付事業については10月1日(月)まで受付ける。
事業についての問合せは同社協【電話】046・875・9889まで。
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