「本音は誰も言えなかった。実際は死にたい奴なんかいませんでした」―。
逗子市民交流センターで24日、文化講演会「最後の特攻隊員だった信太氏に学ぶ」が行われた。NPO法人逗子文化の会が主催。
この日登壇したのは小坪在住の信太正道さん(85)。信太さんは当時18歳で特攻隊員として指名を受けたが出撃目前で終戦をむかえ、死を免れた。戦後は海上保安庁や航空自衛隊を経て、退職後は日本航空のパイロットに。定年後は厭戦思想の普及活動に務めている。
信太さんは、親族あての遺書を書かされたが検閲が入るため本音を書くことができなかったことや、志願を拒否した隊員を「実はうらやましかった」と素直な心情を吐露できなかった当時の様子を語った。「犬死になることは誰より分かっていた。だが、弱みを見せられなかった」と声を荒げる場面も。終わりには尖閣問題などで憲法改正論が波紋を広げていることを引き合いに「9条は平和の防波堤。今の若い人たちには厭戦思想を広めていってほしい」と呼びかけた。
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