葉山町社協 農作業通じ、介護者支援 孤立感やストレス、地域で手当て
社会との関係が希薄になりがちな介護者や介護を終えた女性らを地域ぐるみで支援しようと、葉山町社会福祉協議会では今年度から学生や地域住民らと協働で農作業を通じた交流事業をはじめた。介護や福祉への啓発を図るのが目的で、10数回実施。参加者からは「参加することで心にゆとりが戻った」などの声も聞かれ、介護疲れに悩む人と地域の架け橋になりつつある。
葉山町によると、町内で要介護または要支援認定を受けている人の合計は1478人。単純計算で全世帯に占める1割以上が要介護・支援者を抱えていることになる。同町は高齢化率(人口に占める65歳以上の割合)が28・9%(2013年1月1日現在)と県下で8番目に高く、将来的に認定者が増加する可能性は高い。実際ここ数年来増加の一途をたどっており、町福祉課では「隔年ごとに100人単位で増えている。今後も高齢化が進むに連れ、一層増加することが考えられる」と話している。
一般的に介護者は女性が多く、障がいが重度の場合、介護のために仕事をやめたり、交友関係が希薄になることも珍しくない。そのため社会からも孤立しがちで、たとえ介護を終えても喪失感に見舞われるケースも多いという。
町社協では介護講座を開催するなかでそうした介護者の置かれている実情が浮き彫りになったとし、具体的な支援策を模索。今年3月ごろから町の農家の協力を得ながら農作業を通じた交流事業をはじめた。参加しているのは介護者をはじめ、介護や福祉を学ぶ学生、地域住民、アロマセラピストら。今月上旬にはおよそ10人が夏に植えたサツマイモを収穫しながら和気あいあいとした雰囲気のなか、交流を楽しんだ。参加者からは活動に参加することで「介護のことが忘れられる」「リラックスできる」などの声が寄せられた。同社協の横地厚さんは「学生や子育て世代、今後介護に携わる可能性がある人への啓発にもつながる。地域で介護者を支えるモデルとして今後取り組みが広まれば」と話した。次回開催予定は12月6日(金)。参加は無料で、介護に関心がある人は誰でも参加できる。問合せは同社協【電話】046・875・9889
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