逗子市は3日、地震による津波の恐れがある場合などに使用する一時避難場所(津波避難ビル)として同市逗子にあるマンション「逗子パーク・ホームズ」(10階建て・35戸)と「ファミール逗子シーサイドヒルズ」(7階建て・49戸)の両管理組合と協定を締結した。同地区で避難ビルに指定された民間マンションは初で、緊急時に市民らを受け入れる。
市「今後の広がりに期待」
協定は津波が発生し、緊急避難の必要がある場合などに市が施設の避難場所としての一時使用を要請。要請を受けた管理組合が普段は施錠されている非常階段などを開放し、マンション上階の廊下やエレベーターホールなどの共用部分に逃げこめるようになる。
市では東日本大震災以降、公共施設の津波避難ビル指定や標高、避難経路の表示などを進めてきたが、民間マンションについては不特定多数が入ることによる安全面への懸念などから協力が難航。これまで市内約30カ所に要請してきたが、避難ビルとして指定されている民間マンションは小坪地区の4棟(昨年11月)にとどまっていた。今回の2棟が加わり、市内では計6棟になる。
両マンションともに逗子海岸からは徒歩圏内。協定式で平井竜一市長は「津波発生時はいち早く高い建物に逃げるのが鉄則。逗子の中心地は意外に高いビルが少なく、多くの命を救う上で今回の協定は非常に心強い」と感謝を述べた。地域の自治会とも協定を結んでいるパーク・ホームズの塚野雅人理事長は「マンションの立地柄、地元だけでなく、ほかの地域からも多くの人が通る場所。色々な方の命を救うのに役立てば」、海から200mほどの場所にあるファミールの森永国男理事長は「今回の協定を契機に津波避難ビルとしての機能強化に努めたい」と話した。年内中にも津波避難ビルであることを示す標識を設置するという。
市は現在、公共施設をはじめとした民間企業、私学など39カ所を津波避難ビル、高台にある公園など61カ所を避難場所に指定している。特に海近辺にはマンションを除く高層建物は少なく、市防災課では「今回の協定を機に協力してくれるマンションが増えてくれれば」と期待を寄せている。
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