記者が見た、聞いた、感じた、を伝える あっとほーむデスク 1月1日0:00更新
おせちに使われる食材にはそれぞれ新年を迎えるための願掛けがこめられる。昆布は「喜ぶ」、栗は「勝ち栗」、蓮根は「先が見通せるよう」、鰊(にしん)は大切にすべき「二親」。若い世代では知る人が少ないかもしれないが、年初めの折に口にする縁起物の由来くらいはしっかりと噛みしめたい。時折記事を書きながら読者に向けて「こう感じてほしい」と強く思うことがある。親交がある日刊紙のベテラン記者はそれを伝える力を「筆力」と言った。あえて文章力とは言わず手にする筆で思いを伝える力。また「行間を読ませよ」とも説いた。文字にこそなっていないが、読み手が目にすることで何を感じるか予め考えよ、と。私事ではあるが、今年は記者稼業10年目。書き手としての高みを目指したい。